新型コロナの感染が収束した今年は、台湾と都市間提携を結ぶ自治体が増えています。今年はまた、かつて結んだ「覚書」などから正式な「友好交流協定」に格上げして結び直す事例も3件ありました。
9月20日、山形県新庄市が南投県草屯鎮と「国際友好交流協定」を締結し、今年はこれで15件となり、年間21件だった2017年に迫る勢いです。
新庄市が海外の都市と友好協定を結ぶのは初めてだそうで、同市内の新庄市民プラザで行われた調印式には山尾順紀(やまお・じゅんき)市長と草屯鎮の簡景賢・鎮長が臨み、台北駐日経済文化代表処の蔡明耀・副代表や佐藤卓也・新庄市議会議長などが立ち会いました。
心から祝意を表し、下記に地元紙の山形新聞の記事を紹介します。
そもそも新庄市が草屯鎮と交流するきっかけとなったのは、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会で台湾のバドミントン競技のホストタウンに登録(2019年2月)されたことだったそうです。
その後、同年8月にはホストタウン推進に係る国際交流の機会として、市内在住の台湾出身者を講師に「ホストタウン台湾親子料理教室」を開催。2021年3月には同じ校名の草屯鎮の新庄国民小と新庄小学校がオンラインで交流学習会を開くなどして交流を重ねていたところ、台北駐日経済文化代表処から新庄市に働きかけがあり、協定を結ぶことになったそうです。
日台間の都市間提携は、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結以来、新庄市と南投県草屯鎮の「国際友好交流協定」で127件(本会調査)となっています。
本会調査の「日本と台湾の都市間提携一覧」では、結び直した事例はカウントせず、正式な都市間協定のみカウントしています。ちなみに、「覚書」などから正式な「友好交流協定」に格上げして結び直した今年の事例は下記の3件です。
・7月21日、北海道余市町と彰化市の「友好交流協定」締結
(2023年5月18日「友好交流に関する覚書」締結)
・7月22日、新潟県佐渡市と高雄市の「友好交流協定」締結
(2022年7月27日、「友好交流覚書」締結)
・8月23日、静岡県浜松市と台北市の「友好交流協定」締結
(2013年7月31日、「観光交流都市協定」)
新庄市、台湾・草屯鎮と友好協定 五輪ホストタウン、縁に
【山形新聞:2023年9月21日】
新庄市と台湾中部の都市「草屯鎮(そうとんちん)」の国際友好交流協定調印式が20日、新庄市民プラザで行われた。同市が海外の都市と友好協定を結ぶのは初めてとなる。
草屯鎮は人口約9万7千人で、中部に位置する南投県の都市で2番目に人口が多い。交通の要衝として商業エリアが栄え、農業はコメやライチ、ブドウなどの生産が盛んだという。
協定は観光、産業、教育、スポーツなど幅広い分野で交流を進めていく内容とし、締結式には草屯鎮から簡景賢・鎮長ら約40人が出席した。山尾順紀市長が「さまざまな分野で交流を進め、交流の輪が発展していくことを願っている」、簡鎮長が「交流訪問や産業協力を通じて互いの発展を促進できるよう期待している」とあいさつし、協定書に署名した。
両自治体は東京五輪バドミントン競技のホストタウンを縁に交流を始め、2021年3月に草屯鎮の新庄国民小と新庄小がオンラインで交流学習会を開いた。その後、台北駐日経済文化代表処から新庄市に働きかけがあり、協定を結ぶことになった。