今年は、日本と台湾の自治体同士が提携する友好交流協定など「都市間提携」が多い。新型コロナウイルスの流行が下火となった昨年は、これまで台湾との行き来ができにくかった鬱憤を晴らすかのように19件の提携を遂げ、コロナ前の2017年の22件に迫った。今年はその勢いを持続している。

11月13日、和歌山市が高雄市と「交流促進に関する覚書」を締結した。

高雄市政府からは、林欽榮・副市長をはじめ高雄市議会の康裕成・議長や市議などの訪日団が和歌山市を訪れ、和歌山城ホールの大会議室において調印式が行われた。調印式には尾花正啓・市長と林欽榮・副市長が臨み、和歌山市議会の丹羽直子・議長と高雄市議会の康裕成・議長が立ち合った。両市は今後、経済、観光、文化・スポーツといった分野での交流促進に取り組んでいく。

◆高雄與日本和歌山市簽署備忘録 深化友好合作[11月13日:中央通信社]

ちなみに、和歌山市は2017年5月に台北市と「交流促進覚書」を結んでいる。また、翌2018年6月には、和歌山市議会と高雄市議会が「友好交流覚書」を締結していた。

実は、この議会同士の「友好交流覚書」は、翌7月に行われる「日台交流サミットin高雄」に向けて友好関係を深めることを主な目的としていたが、他にも「両市議会の協力を得て、高雄市と和歌山市は交流促進に関する覚書を締結し、今後も両市はこれまでの基盤を踏まえて様々な協力を拡大し、経済分野でのより実質的な協力を推進するために協力していく。将来的には貿易、教育、スポーツ、観光が協力します」と謳っていた。今後は、両市が提携できるよう働きかけてゆくという内容も盛り込んでいた。

2018年の両議会の提携から実に6年を経て、覚書の内容を実現できたことになる。今回の両市の覚書締結に両議会の議長が立ち会ったのは、以上の背景を踏まえてのことであり、両議会とも粘り強く市長サイドに働きかけた成果だった。

当時、議会提携に調印した和歌山市議会の古川祐典・議長、高雄市議会の康裕成・議長、日台友好和歌山市議会議員連盟会長の遠藤富士雄・市議(「外交之友貢獻獎」受章者)、高雄市議会国民外交促進会の蕭永達・会長も心から喜んでいると思われる。

この提携で、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは148件目(本会調査)となり、今年に入って新たに結ばれた提携数も18件となる。

1)1月22日 鹿児島県と屏東県が「青少年や芸術・文化、観光、経済などの分野で交流を促進するMOU」を締結
2)1月31日 鹿児島県伊佐市と台湾の花蓮市が「友好交流協定」を締結
3)2月27日 熊本市と高雄市が「スタートアップ関連での交流促進覚書」を締結
4)2月27日 熊本県小国町と台北市士林区が「友好交流協力に関する覚書」を締結
5)4月15日 熊本県上天草市と新北市瑞芳区が「友好交流協定」締結
6)4月29日 長崎県平戸市と台南市が「友好交流協定」を締結
7)5月06日 茨城県那珂市と台南市が「友好交流協定」を締結
8)6月20日 北海道雨竜郡沼田町と花蓮県瑞穂郷が「友好交流協定」を締結
9)6月26日 大分県九重町と花蓮県豊浜郷が「連携・協力に関する覚書」を締結
10)8月19日 北海道茅部郡森町と彰化市が「友好交流協定」を締結
11)8月28日 北海道富良野市と台南市が「友好交流協定」を締結
12)10月1日 北海道美唄市と花蓮県富里郷が「友好交流協定」を締結
13)10月5日 秋田県秋田市と台南市が「交流協力に関する合意書」を締結
14)10月11日 愛媛県松山市と台北市が「友好交流都市協定」を締結
15)10月18日 茨城県小美玉市と新北市淡水区が「友好交流覚書」を締結
16)10月22日 愛媛県砥部町と新北市鶯歌区が「交流促進に関する覚書」締結
17)11月06日 沖縄県宮古島市と屏東県牡丹郷が「交流協定に関する覚書」を締結
18)11月13日 和歌山県和歌山市と高雄市が「交流促進に関する覚書」を締結


和歌山市、台湾・高雄市と交流促進に関する覚書を締結

【和歌山放送ニュース:2024年11月13日】

和歌山市は台湾の高雄市と友好交流を促進するため覚書を締結することになり、きょう(13日)和歌山城ホールで調印式が行われました。

高雄市とは2018年に両市議会間で友好交流に関する覚書を締結していますが、今回の覚書締結は経済、観光、文化、スポーツといった分野での交流促進にさらに取り組んでいこうと両市で協議を重ね実現しました。

きょう午前、和歌山城ホールで開かれた調印式では、和歌山市議会の丹羽直子(にわ・なおこ)議長と高雄市議会の康裕成(コウ・ユウセイ)議長の立ち会いのもと、和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長と高雄市の林欽榮(リン・キンエイ)副市長が、覚書にサインしました。

尾花正啓市長は、「両市が強い信頼関係をもとに交流関係を深めていけることをたいへんうれしく思います。今後も和歌山市と高雄市の絆を一層深め、さらなる発展につなげていきたい」と挨拶しました。

また林欽榮副市長は、「この覚書締結を機に、両市の友好関係がさらに深まると信じております」と述べました。

和歌山市が台湾の都市との覚書を締結するのは台北市に続き2例目で、今後様々な分野での情報交換や交流を進めていくということです。