第7期(2月26日~5月31日)の署名活動を終え、本会の小田村四郎会長は6月10日、谷垣禎一法務大臣にこの第7期の署名用紙とともに「台湾出身者の戸籍表記是正を求める要望書」を送達しました。ここにその全文をご紹介します。
ちなみに、これまでの署名総数は33,185名(第1期:15,604名、第2期:11,105名、第3期:1,228名、第4期:1,296名、第5期:2,592名、第6期:570名、第7期:790名)となっています。
一刻も早く戸籍問題を解決するため、引き続き署名にご協力のほどよろしくお願いします。
台湾出身者の戸籍表記是正を求める要望書
私ども日本李登輝友の会は、文化交流を主とした日本と台湾の新しい関係を構築することを目的として活動している民間団体です。
法務省はこれまで、台湾出身者が日本人と結婚したり帰化した場合、戸籍の国籍や出生地を「中国」や「中国台湾省」と表記してきました。中国とは中華人民共和国のことであり、中国台湾省とは中華人民共和国の行政区を指します。即ち、台湾出身者を中国人としているのが現在の戸籍制度です。
戸籍において、台湾出身者の国籍を「中国」としたのは、昭和三十九(一九六四)年六月十九日付で出された法務省民事局長による「中華民国の国籍の表示を『中国』と記載することについて」という通達でした。これは政府も、大江康弘・参議院議員の「質問主意書」に対する「答弁書」で明確に認めています。
昭和三十九年といえば今から約五十年も前、東京オリンピックが開催された年で、日本が中華民国と国交を結んでいた時代です。しかしその後、日本は中華民国と断交して中国と国交を結ぶなど、日本と台湾・中国の関係は大きく変わっています。
そこで日本政府は平成十七年九月から台湾観光客に対するビザ免除を恒久化し、平成十九年九月には自動車運転免許証の相互承認を行い、中国とは異なる対応を続けてきています。東京都も平成二十年五月、住民基本台帳の表記について、台湾からの転入・台湾への転出の際には「台湾」の表記を認めるという通知を出しています。
さらに、昨年七月九日、外登証を廃止し在留カードを交付するに際しては「国籍・地域」欄を設け、台湾出身者は「中国」ではなく「台湾」と明記しています。同時に実施された外国人住民基本台帳でも、台湾出身者の「国籍・地域」は「台湾」と表記するようになりました。もちろん、台湾が官民挙げて歓迎していることは周知の通りです。
ましてや台湾は、これまで一度たりとも中華人民共和国の統治を受けたことはなく、台湾を中国領土とするのは、台湾侵略を正当化するための中国の政治宣伝以外のなにものでもありません。事実、この戸籍表記は日本政府の見解にも合致しておらず、これを放置しておくことは中国の覇権主義的主張を受け入れているとみなされかねません。
この現状を憂え、昨年十月、石川県議会と宮城県議会が相次いで法務省民事局長通達の見直し措置を求める「意見書」を可決していることはご存じのとおりかと思います。
ついては、法務大臣は戸籍の国籍欄および出生地欄を在留カードにならって「国籍・地域」とし、台湾出身者は「中国」ではなく「台湾」と表記すべく、早急に民事局長通達を出し直すよう強く要望します。併せて、ここに私どもの要望に賛同する署名(第七期)七百九十名分を呈します。
ご承知のように、賛同署名は一昨年十一月の第一期分(一万五千六百四名)以来、本年二月の第六期まで三万二千三百九十五名分の署名を要望書とともに送付しています。
法務大臣におかれては、すでに在留カードや外国人住民基本台帳が実施された現在、その整合性を図るためにも早急に民事局長通達を出し直し、台湾出身者は「台湾」と表記するよう強く要望します。
平成二十五年六月十日