麻生太郎前首相は、4月5日午後12時45分、搭乗する日航機で台北に到着。今井正・交流協会台北事務所長(駐台大使)や当日早い便で台北に戻っていた馮寄台・台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使)らの出迎えを受けた。
今回の訪台は、辜濂松・中信金融董事長の招きによるもので、妻の千賀子さん、娘の彩子さんや秘書を伴っている。空港では日本人観光客からも握手を求められるなど熱烈な歓迎、馮寄台代表らと談笑しながら歩いたが、メディアの質問には一切答えなかった。滞在は8日まで、4日間の予定。
私的訪問のため、すべての日程詳細は公表されていないが、6日午前11時には馬英九総統と会談、昼食は台北賓館(迎賓館)で歓迎会が催されるとのこと。同日夜には王金平立法院長と院長官邸で会見、日本留学経験のある国民党の李鴻鈞、江義雄立法委員らが同席するものとみられる。また、海峡基金会の江丙坤 ・董事長との会談も予定されている。
今回の訪台は首相辞任後一年を経ておらず、台湾メディアは「極めて異例」と報道。麻生氏の訪台は自民党政調会長時代に超党派議員団を率いて当時の与党民進党とのフォーラムに出席した平成15年4月以来。首相経験者の訪台は平成18年11月の森喜朗元首相以来。
また、今月末にはブッシュ米前大統領が訪台することになっており、日米両国の前トップが相次いで台湾入りすることになる。
国民党関係者によると、今回の訪台は経済貿易関連の私的訪問とされているが、日台間のパイプ強化に一役買ってくれるものと期待されている。