26日、東京都千代田区内のアルカディア市ヶ谷にて、台湾独立建国聯盟日本本部(黄文雄委員長)主催による「台湾2・28革命59周年記念大講演会-徹底討論!台湾防衛 軍事的視点から」が開催され、大雨にもかかわらず定員200名を上回る約300名が出席、立見も出る盛況だった。司会は金美齢・国策顧問。
台北駐日経済文化代表処の許世楷大使や本会の小田村会長も出席して来賓挨拶し、また、台湾研究フォーラムの永山英樹会長による問題提起や、本会若手の多田恵理事や薛格芳理事、留学生の楊梅君さんや台湾研究フォーラム運営委員の千田昌寛氏による日本と台湾の青年たちの意見発表があり盛りだくさんの内容だった。
李登輝前総統からも懇篤なメッセージをいただき、本会の柚原正敬事務局長が代読披露した。
李登輝前総統からのメッセージ
黄文雄委員長はじめご列席の皆様、台湾二二八革命59周年記念大講演会の開催を心からお慶び申し上げます。
本来なら私自身も出席し、長年、日本から台湾に向けて、台湾独立の理念や思想、それを実現するための戦略や戦術の研究成果を発信され続けている皆様に敬意を表し、直接ご挨拶申し上げたかったのですが、事情により適わず、書面をもってご挨拶申し上げる次第です。
さて、二二八事件は戦後台湾の原点であります。現在、この事件の全貌はほぼ明らかになりつつありますが、優れた知識人や前途有為の青年たちなど2万人以上が無残にも殺されました。この事件により台湾人は初めて中国人の残忍性を経験し、中国に対する幻想から目覚めました。
この事件以外にも、戦後の台湾人はいろいろな面で中国の害毒を経験しています。最近では2000年の豚の口蹄疫、2003年のSARSなどですが、「台湾は中国固有の領土である」と主張する中国は2005年3月、非平和的手段も辞さないとする反国家分裂法を制定し、台湾侵略の意思を明確にしました。
しかし、台湾は中国の領土ではありません。中国の狙いは、日本の生命線である台湾を併呑して、アジア・太平洋に覇権を確立することにあるのは明々白々です。台湾の次は尖閣列島です。もし台日両国がこの中国の野心を阻止することができなければ、必ずやアジアのみならず世界に災難が降りかかることになります。
かかる時期に、台湾防衛をテーマに、第一線で活躍する陸・海・空出身の軍事専門家の方々が論議されることは、正に時宜に適った企画で、日本にとっても有益であり、台湾にとっても、国家の主権と尊厳の護持並びに国際社会への参加実現のために有益ではないかと思います。
その意味からも、今後とも貴会の活躍を大いに期待しております。
最後になりましたが、講演会のご盛会と皆様のご健勝を心からお祈り申し上げます。
2006年2月26日
李 登輝