2006年12月26日付の本会メールマガジン『日台共栄』でお伝えした台湾高速鉄道(台湾版新幹線)の最新情報でしたが、1週間のテスト期間と発表していた初日の1月5日が正式開業日になったそうです。めまぐるしく変わる台湾版新幹線の情報ですが、ともかく正式な開業日が決定したことを素直に喜びたいと思います。
昨日付の産経新聞には「『台湾高速鉄道』正式開業へ」のタイトルの下、1面ぶち抜きで許世楷大使、平沼赳夫・日華議員懇談会会長、石原慎太郎・東京都知事などのコメントとともに、関係記事が掲載されています。
予定稿として組んでいた記事だったようですが、ともかく正式開業日が決まらないと出せない記事ですから、関係者も年内に掲載できてホッとしているのではないでしょうか。
ここに、許世楷大使の台湾史を踏まえた心憎いコメントと関係記事をご紹介します。今年最初の記事がおめでたい内容でしたので、こちらもホッとしています。
本会メールマガジン『日台共栄』編集長 柚原正敬
日本からの修学旅行や観光客増に期待-100年の歴史と100年の未来
台北駐日経済文化代表処 許世楷代表
台湾統治から10年後の1905(明治38)年、日本は基隆・台北から高雄まで台湾西部を縦断する鉄道を初めて建設しました。日本が作った鉄道は、その後100年の間に台湾の産業や文化、人の往来や輸送力などに、劇的な変化をもたらし、台湾の動脈として社会の様相を大きく変えてきました。100年前の鉄道開通式典は台中駅で行われ、その開通記念として美しい台中公園が建設されたことに、改めて思いを馳せています。
1世紀を経た今日、日本の新幹線技術で作られた高速鉄道が台湾を走ることに、私は日本と台湾の緊密な結びつきと歴史を感じないわけにはいきません。高速鉄道の開業は、台北と高雄間が在来線の約6時間から90分へと時間が短縮されるだけではなく、高速鉄道を利用する台湾人に、日本に対してさらに近しい感情を抱かせることになり、目に見える形で日台の親密な結びつきを実感させることになるでしょう。
日本の方々にとっても台湾の中南部観光が1日圏になるだけでなく、例えば石川県出身の八田與一技師が1930(昭和5)年に完成させた台湾の「烏山頭(うざんとう)ダム」を訪ねることなどで、日本人の先人が、いかに台湾や世界に貢献したか、手軽に自分の目で見られるようになります。
今回の開業を契機に、1人でも多くの日本の学生や若者が修学旅行や観光旅行で台湾を訪れる機会が増えることも願っています。人の結びつきこそが日台関係の財産です。台湾新幹線の開業が次の100年の日台関係も花開かせることになるでしょう。(談)【2006年12月31日付・産経新聞】
台湾新幹線5日正式開業
日本の新幹線システムが海外で初採用された台湾高速鉄道(台湾新幹線)の「正式開業日」は、行政院交通部(交通省)と事業会社の「台湾高速鉄路」が29日に行った協議で、来月5日と決まった。30日付の台湾各紙によると、試験的な営業期間を設ける当初計画を取りやめ、元日に陳水扁総統が試乗をして実質的な開業宣言を行い、5日の開業から10日間を運賃が半額の特別期間にするという。【12月31日付・産経新聞】