【中央通信社:2014年7月7日】台湾・台南市と日本の加賀市が「友好都市」に 交流強化に期待
台南市と石川県の加賀市は7日、友好都市提携協定書を交わした。今後は教育、文化、産業、スポーツ面などでの交流強化を図る予定。
頼清徳・台南市長は、石川県出身の八田与一が市内の烏山頭ダムの建設に携わっていたことから、双方には緊密な交流があったとした上で、今回の協定書調印により両都市の関係がさらに深まればと期待を寄せた。
石川県議時代から台湾との交流促進に尽力していた宮元陸加賀市長は、積極的に各分野での交流を進めることで、加賀市だけでなく近隣地域にも台南をアピールすることができると友好都市のメリットを語った。
統計によると、2013年に加賀市で宿泊した外国人観光客は約2万9000人で、そのうち7割が台湾からの観光客だったという。
同市では台南市のほかに、高雄市や高雄市鼓山区ともそれぞれ都市提携を結ぶことで同意している。
加賀市
〒922-8622 石川県加賀市大聖寺南町ニ41番地
TEL:0761-72-1111(代) FAX:0761-72-4640
◆石川県と台南県の姉妹県交流をめざして2005年9月に石川県議会日台友好議員連盟を結成
石川県議会議員 宮元 陸
■台南県からの再三の申し出
今年2月の石川県議会予算特別委員会において、大要次のようなやり取りが行われました。
「これまで台湾・台南県との交流において、金沢市議会、八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会、あるいは金沢ライオンズクラブ等が台南県との交流を積み上げてきた中で、台南県から再三に亘り姉妹都市交流の申し出がそれぞれの団体や個人を通じて我が県に伝えられて来た経緯がある。八田與一技師を敬愛し、日本や石川県を慕い続けて下さる台南県に対し何ら誠意ある対応をして来なかった石川県の姿勢は誠に非礼ではないか」と私が知事に詰め寄ったところ、知事は「見方によっては一方的なラブコールということもあり、思いは思いとして受け止めながら、状況を十分に勘案して機が熟しているかどうか判断して行きたい」と、全く人情味の感じられない事務的答弁に終始し、議論は平行線のままでした。これが石川県のおかれている状況であると同時に、台湾との関係を進めようとするとぶち当たる今日の日本の現状を象徴するやり取りだと言えます。
■李登輝前総統の叱咤激励
私の台湾への関心は、4年前、歴史教科書採択運動に参加し、自虐的歴史観を克服して、日本人の本来伝統的に培ってきたアイデンティティーを取り戻すことが急務であることを知るに及んで、台湾にあって日本を敬愛し叱咤激励される李登輝前総統の存在を知ったことが大きなきっかけでした。さらに、我が県において二十年前より金沢市の有志によって台南県との交流を八田與一という郷土が生んだ偉大な人物を通して積み上げて来られた歴史を再認識し、台湾への関心をより強くするに至ったのであります。
また、平成16年(2004年)10月30日から行われた第一回台湾李登輝学校研修団に参加した際、李登輝先生の謦咳に接し、自らの認識をより確かなものとさせていただきました。
今年5月には、長年、台南県との交流に努力してこられた長井賢誓県議を中心に数名の県議会議員で「石川県議会日台友好有志の会」を組織し、八田技師の墓前祭に合わせて台南県を訪問し、蘇煥智台南県知事はじめ台南県政府関係者とも親しく懇談の機会を持つことができました。その中で参加した県議が等しく驚いたのは、台南県の並々ならぬ交流への熱意であり、これまでの歴史的な経緯と我々に課せられ
た責任の重さを重ねて痛感したのであります。
■日台友好の中核的組織
我々にとっての「日台友好」とは何かと言えば、それは日本人のアイデンティティーを取り戻すための運動であり、それは我々自身の内なる戦いでもあるということであります。自虐的歴史観から脱却し、自信と誇りを持てる国づくりや教育を一日も早く目指していくこと、そのことが李登輝先生が早くから指摘されている日本人への警鐘であり激励でもあります。石川県民の中には、今日の日中関係を考えると台南県との姉妹都市交流は実現不可能なことであり、その協力要請に応じてきた県議有志の会は台南県に対してかえって非礼であるとの批判もあったようであります。
しかし、冒頭で申し上げた知事答弁に代表されるように、対中配慮を優先させて正式な日台交流が実現できないものとする考えには、日本のアイデンティティーがそこには存在し得ないことを強く自覚すべきであり、そのためにも姉妹都市交流の旗を我々から降ろすことは決してないのであります。
そこで、県当局に覚醒を促すためにも、私たちは9月議会で正式に「石川県議会日台友好議員連盟」を結成する準備を進めており、いずれ我が県における日台友好の中核的組織にしていく決意であります。
県議会有志の会訪台の折、計らずも李登輝先生にお会いする機会をいただきましたが、その時、先生は我々にこう言われたのです。
「日本は戦後60年、屈辱に耐え低姿勢でよく頑張ってきた。これからの日本そして台湾はアイデンティティーの確立に努めなければならない」
9月発足予定の「石川県議会日台友好議員連盟」は、李登輝先生のそのお言葉を旗印とした組織を目指していきたいと思っています。
本会機関誌『日台共栄』第8号より転載