明治28年(1895年)に日本が日清戦争に勝利し、清国から割譲された台湾を日本が統治しはじめると同時に、台湾の近代教育も始まります。
音楽教育の先駆者でもあった文部省学務部長心得の伊沢修二は、日本全国から優秀な志ある教師を募集し、台北郊外の士林に「芝山巌学堂」という最初の学校を開き、教師たちは身魂をなげうって台湾人子弟の教育に当たっていました。
統治間もなくの台湾はまだ政情が不安で、日本人を敵視する匪賊も少なくなく、周辺住民は教師たちに再三退避を勧めましたが「身に寸鉄を帯びずして群中に入らねば、教育の仕事はできない」として学堂を離れませんでした。
翌明治29年1月1日、6人の教師が台湾総督府における新年拝賀式に出席するため芝山巌を下山しようとしたとき、100人ほどの匪賊に取り囲まれてしまいました。6人は教育者として諄々と道理を説きますが、匪賊たちは槍などで襲いかかり、衆寡敵せず全員が惨殺されてしまいます。これが「芝山巌事件」です。
この非命に斃れた6人は、楫取道明(山口県)、関口長太郎(愛知県)、桂金太郎(東京府)、中島長吉(群馬県)、井原順之助(山口県)、平井数馬(熊本県)であり、後に「六士先生」と尊称され、明治31年秋、靖國神社に合祀されています。
近年になって、本会関係者などのご尽力により、関口命や平井命の慰霊祭が行われるようになっていますが、今年は芝山巌事件から120年の節目の年に当たります。
つきましては、楫取命の令孫に当たる小田村四郎・本会名誉会長などとともに、靖國神社において下記の要領で「六士先生・慰霊顕彰の集い」を開催いたしますので、ここに謹んでご案内申し上げます。
平成28年(2016年)5月吉日
日本李登輝友の会 会長 渡辺 利夫
記
・日 時:平成28年6月26日(日) 11時 靖國神社・参集殿に集合
・会 場:靖國神社本殿 11時30分~ 慰霊祭(東京都千代田区九段北3-1-1 TEL:03-3261-8326)
・講演会:12時15分~12時45分 靖國会館 2階 偕行の間
小田村四郎先生「六士先生と芝山巌事件─祖父楫取道明を中心として」
・清 宴:12時55分~14時30分 靖國会館 2階 偕行の間
・参加費:4,000円(玉串料:1,000円、講演会・清宴:3,000円)
・お申し込み:こちらのお申し込みフォームをご利用になるか、「お名前、お電話番号、慰霊祭へのご出欠、講演会・清宴へのご出欠」を明記の上、メールもしくはFAXにて下記の本会事務局までお申し込みください。