8月27日、天竜浜名湖鉄道(天浜線、本社・浜松市天竜区)と集集線を運営する台湾鉄道管理局(台鉄)が姉妹鉄道協定を締結した。天浜線は静岡県が運営していることから、川勝平太(かわかつ・へいた)知事と天浜線の植田基靖社長が台湾鉄道管理局の鐘清達・副局長らと協定締結書に署名した。心からお祝い申し上げ、下記に中日新聞の記事をご紹介したい。

この調印式には、本日(8月28日)、浜名湖と日月譚の友好交流協定を締結する浜松市の鈴木康友市長が立ち会っている。川勝知事は、浜名湖と日月譚の友好交流協定締結に立ち会う。

本年1月には、天浜線の活性化を促進する県議会の議員連盟が26日から5日間にわたり、植田基靖社長らとともに台鉄のローカル線を視察し、3月下旬にも協定を締結する運びになっていたが、5ヶ月ほど遅れての締結となった。

これで、日台の鉄道提携は23件(下記「日台姉妹鉄道一覧」参照)。それも2013年以降で22件となっている。すでに本年10月22日には帯広市の幸福駅と新竹県の合興駅が姉妹駅協定を結ぶ予定で、日台の鉄道の絆はますます強くなっている。

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日台「姉妹鉄道」一覧【平成28年(2016年)8月27日現在 日本李登輝友の会調べ】

1)1986年01月25日 大井川鐵道と阿里山森林鉄道が姉妹鉄道
2)2013年04月20日 黒部峡谷鉄道と阿里山森林鉄道が姉妹
3)2013年04月23日 江ノ電と平渓線が観光連携協定
4)2013年10月13日 JR四国の松山駅と台湾鉄道の松山駅が姉妹駅
5)2014年04月30日 秋田の鳥海山ろく線と平渓線が姉妹鉄道協定
6)2014年10月28日 千葉のいすみ線と集集線が姉妹鉄道協定
7)2014年12月22日 山陽電鉄と宜蘭線が姉妹鉄道協定
8)2014年12月22日 山陽電鉄の亀山駅と宜蘭線の亀山駅が姉妹駅
9)2015年02月12日 東京駅と新竹駅が姉妹駅
10)2015年02月26日 京浜急行電鉄と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定
11)2015年03月14日 西武ホールディングスと台湾鉄路管理局が友好協定
12)2015年03月14日 西武鉄道と台湾鉄路管理局が姉妹鉄道協定
13)2015年09月04日 長良川鉄道と内湾線が姉妹鉄道協定
14)2015年12月04日 大阪駅と台北駅が姉妹駅
15)2015年12月18日 東武鉄道と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定
16)2015年12月21日 山陽電鉄と台湾鉄路管理局が観光連携協定
17)2016年01月21日 鉄道総合技術研究所と台湾鉄路管理局が技術協力協定
18)2016年02月25日 JR四国と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定
19)2016年03月15日 江ノ島電鉄と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定
20)2016年06月01日 いわて銀河鉄道と台中線(山線)が姉妹鉄道協定
21)2016年06月01日 三陸鉄道と海岸線(海線)が姉妹鉄道協定
22)2016年07月04日 江ノ電と高雄メトロが観光連携協定
23)2016年08月27日 天竜浜名湖鉄道と集集線が姉妹鉄道協定


天浜線 台湾で鉄道協定調印

【中日新聞:2016年8月28日】

◆川勝知事、鈴木浜松市長ら訪問

協定締結書を手にする(左から)植田社長、川勝知事、鐘清達副局長ら=27日、南投県の集集線・車埕駅で(中日新聞HPより)

台湾を訪問中の静岡県の川勝平太知事と浜松市の鈴木康友市長ら一行が27日、南投県車埕(しゃてい)村を訪れ、天竜浜名湖鉄道(天浜線)を運営する県と、公営鉄道・集集(しゅうしゅう)線を運営する台湾鉄路監理局による姉妹鉄道協定が結ばれた。ローカル鉄道の魅力を相互に発信したり、一日乗車券の無償提供などで基本合意。両鉄道の乗客を増やして地域観光の活性化につなげる。

集集線の終点、車てい駅の構内で調印式があり、川勝知事と天浜線の植田基靖社長が、同監理局の鐘清達(しょうせいたつ)副局長らと協定締結書に署名した。

川勝知事は「静岡県民と台湾の人たちが鉄道協定を通じて一段と交流が深まり、やがて日本全体と台湾の絆が深まることを期待したい」とあいさつ。植田社長は「日本ではローカル線を楽しむ観光が盛ん。協定を契機に集集線の魅力を日本の鉄道ファンにしっかり伝えるように頑張る。皆さんも天浜線を楽しんでほしい」と、相互交流を呼びかけた。

続いて、天浜線市町会議の会長を務める鈴木市長も参加して、くす玉割りや記念品の交換などがにぎやかに行われた。

協定締結に向け、植田社長や、天浜線の活性化を促進する県議会の議員連盟らが1月に現地を視察。両鉄道とも山と水に恵まれた風光明媚(めいび)な山あいなどを走る路線の環境が似ていることから、相互に集客メリットがある交流に発展できるとして準備を進めてきた。

県交通基盤部都市局の林聖久・地域交通課長は「天浜線も少子化の影響で、将来的には通学客増は難しい。協定を発展させてインバウンド(外国人旅行客誘致)につなげたい」と話した。

<天竜浜名湖鉄道> 国鉄二俣線を引き継ぎ、県や沿線の7市町が出資する第三セクター鉄道。全長67・7キロで、掛川駅(掛川市)から新所原駅(湖西市)まで39駅あり、浜名湖の北側を走る。1998年に天竜二俣駅構内施設が、2011年には鉄道全線が国の登録有形文化財に指定された。

<集集線> 日本統治時代に水力発電所の建設資材の輸送のために敷設された路線。全長29・7キロで、二水駅から車てい駅まで7駅あり、台湾で人気の高い湖「日月潭(にちげつたん)」へのアクセスルートにあたる。千葉県を走る「いすみ鉄道」と2014年に姉妹鉄道提携を結んでいる。