三井田孝欧議員

現在の日本の戸籍制度では、台湾出身者が日本人と結婚したり帰化した場合、その国籍や出生地は「台湾」ではなく「中国」や「中国台湾省」と記されます。

なぜそのように表記されるようになったのか。その原因は、昭和39年(1964年)6月19日付で出された法務省民事局長による「中華民国の国籍の表示を『中国』と記載することについて」という通達でした。

本会が創立以来取り組んでいた台湾出身の国籍が「中国」とされていた外国人登録証明書問題は、平成21年(2009年)7月に可決された「出入国管理及び難民認定法」の法改正で解決し、在留カード化にあたって台湾出身者は「台湾」と表記されることになりましたので、本会は翌年11月からこの台湾出身者の戸籍表記是正を求める活動を展開してきています。今年で6年目となります。

お陰様で、請願法にも合致した名前と住所を明記した賛同署名は3万7,537人(本年8月31日現在)にのぼり、これまで本会会長の「台湾出身者の戸籍表記是正を求める要望書」とともに法務大臣に届けてまいりました。

一方、地方議会では、議会として内閣総理大臣、国会、関係行政庁に意見や希望を「意見書」として提出でき、この戸籍問題で下記の5自治体が意見書を可決しています。

1)石川県議会  平成24年(2012年)10月2日  *賛成多数
2)宮城県議会  平成24年(2012年)10月11日  *賛成多数
3)柏崎市議会  平成28年(2016年)3月25日  *全会一致
4)鎌倉市議会  平成28年(2016年)6月30日  *全会一致
5)伊勢崎市議会 平成28年(2016年)9月30日  *賛成多数

新潟県柏崎市の意見書は議会運営委員会が提出者となっていますが、起案者は三井田孝欧(みいだ・たかお)議員。台湾人女性と結婚したことで「自分は台湾人を嫁にもらったが、中国人を嫁にしたつもりはない」と戸籍問題の現状を実感、人権問題としても捨てておけないと行動に移したそうです。

柏崎市議会で可決された意見書の末尾には「理由」が付いていて「日本における台湾出身者の尊厳、人権を守るため」と記されています。

このほど三井田議員は新潟知事選をテーマとした日本文化チャンネル桜の「桜便り」に出演、短いながら在留カードと戸籍の表記の違いについて解説し、意見書が可決される動きも広がっていることを紹介してその解決を訴えました。また視聴者にも、支持する地方議員の方がいるなら「日本人として人権を大切にしていることを知ってもらいたいので、声を掛けて欲しい」とも呼び掛けました。

安倍総理は昨年(2015年)7月29日、台湾について「基本的な価値観を共有する重要なパートナーであり、大切な友人」と参院・平和安全法制に関する特別委員会で答弁しました。この安倍政権下にあって台湾出身者が「中国人」とされている現状は必ずや改められなければなりません。

三井田議員が指摘するように、これは台湾人としての尊厳や人権を守るための活動でもあります。この戸籍問題に関心のある地方議員の方には、これまで可決された意見書や元凶である法務省民事局長通達などの資料をお送りします。ご一報のほどお願いします。

また、本誌を読まれている方でご賛同いただけるようでしたら、署名にご協力をお願いします。またFacebookやTwitterなどで拡散していただければ幸いです。

◆【桜便り】新潟県知事選の結果を読む:三井田孝欧(新潟県柏崎市議会議員)[桜H28/10/19]  
 *戸籍問題 25分40秒~27分40秒

◆【戸籍問題】 本会のネット署名にご協力を!【第13期:9月1日~12月31日】
 *署名に国籍制限はありません。誰でも、世界中どこからでも署名できます。

◆台湾出身者が「中国」とされている戸籍問題の解決を!【本会HP】