本会メールマガジン「日台共栄」誌上などで、11月7日からインドネシアのバリ島で開催されている国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)年次総会へ台湾はオブザーバーとしての参加を認められなかったことを紹介した。
昨日(11月8日)、内政部警政署の劉柏良・刑事警察局長は産経新聞の「アピール」欄に投書し、「国際刑事警察機構への参加に支援を」と訴えた。台湾メディアの台湾国際放送が報じているので下記にご紹介したい。
劉柏良・刑事警察局長が投書で説明しているように「1984年に政治的な理由で脱退となり30年以上が経過」している。今回は「インターネット犯罪やテロリズムを前に、台湾が良好な治安を維持するには、世界の法執行パートナーと連携するため、国際刑事警察機構(ICPO)への参加を必要としている」という判断により、脱退から初めて参加申請をしたという。
ちなみに、脱退の「政治的な理由」とは、中国の加盟に伴い、「中国台湾」への名称変更を迫られたことによるという。
報道されているように、アメリカは今年3月、オバマ大統領が台湾のオブザーバー参加を支持する上院の法案に署名して支援を表明している。日本政府が台湾のオブザーバー参加について支持を表明しているかどうかは不明だが、国際民間航空機関(ICAO:イカオ)総会への台湾参加を支持したように、政府として支持してもらいたいものだ。
刑事警察局長、ICPO参加へ日本の支援訴え
【台湾国際放送:2016年11月8日】
内政部警政署刑事警察局の局長が、日本メディアに寄稿し、台湾の国際刑事警察機構(ICPO)参加支援を求めた。
内政部警政署刑事警察局の劉柏良・局長は8日、日本の「産経新聞」に寄稿し、台湾が世界の法執行パートナーと連携し、共に犯罪やテロリズムを撲滅できるよう、日本の各方面が、台湾の国際刑事警察機構参加への支援をしてくれるよう訴えた。
劉・局長は、台湾は2014年の安全度に関する世界ランキングで2位となったと指摘、しかし、インターネット犯罪やテロリズムに対し、台湾が現在のような良好な治安を維持するためには、国際刑事警察機構に参加し、世界の法執行パートナーと連携する必要があると訴えた。
劉・局長は台湾は1961年から1984年まで「中華民国」の名義で国際刑事警察機構のメンバーだったが、1984年、政治的な理由で脱退を余儀なくされて以降、現在まで排除されたままであると説明、現在、中華民国台湾と北朝鮮のみが加わっていないと指摘した。
劉・局長は、台湾の警察は世界の警察と共同で犯罪を摘発する力量を備えていると強調、台湾の警察は2009年以来、現在まで、海外の警察と協力し、詐欺グループ、ドラッグ、人身売買など、国際犯罪を235件摘発、1万2千人を超える容疑者を逮捕してきたと説明しました。2016年1月から9月のケースを例にとると、国際刑事警察機構を通じて行った照会90件のうち、27件しか回答がなかったという。
劉・局長は、台湾の警察は世界の警察の一員であり、国際犯罪摘発に参加し、全世界の警察と協力する義務と責任があり、そうした意欲と能力をもっていると強調。政治的にデリケートな問題を避けるため、台湾はオブザーバーの身分で毎年行われる総会に出席することを希望すると述べた。