去る1月13日、高雄市田寮区内の月世界という風光明媚な場所で、大分県竹田(たけた)市と高雄市田寮区が「観光文化友好交流都市協定覚書」を締結しました。

本会メールマガジン『日台共栄』誌上などですでにお伝えしたように、この調印式には高雄市の許銘春・副市長や日本台湾交流協会高雄事務所の中郡錦蔵(なかぐん・きんぞう)所長(総領事に相当)らが立ち会い、竹田市の首藤勝次 (しゅとう・かつじ)市長と高雄市田寮区の王昌文・区長が覚書書に調印しました。竹田市と高雄市田寮区は今年初の日台都市間提携で、58件目となります。

首藤市長は帰国後の16日、自らのブログで高雄市との交流のきっかけや締結の意義についてつづっていましたので下記にご紹介します。

国交のない日台間で姉妹都市や友好都市協定など初めて都市間提携を結んだのは1979年(昭和54年)10月。マグロで有名な青森県大間町と雲林県虎尾鎮の姉妹町提携でした。以来、38年間で57件の都市間提携を結んできました。しかし、ほぼ毎年結ばれるようになったのはここ10年のことで、2006年以降です(東日本大震災が起こった2011年を除く)。

昨年はこれまで最高の13件にも達し、日台の絆の強さと深さを象徴する年となりました。はたして今年は何件の都市間提携が結ばれるのか、今から楽しみです。

なお、本会ホームページでは「日台姉妹交流」欄を設け、どういうことが提携のきっかけとなったかなどの詳細も掲載しています。

◆台湾と姉妹提携する日本の自治体・議会【本会HP「日台姉妹交流」1979年~2017年】


台湾・高雄市の田寮区との観光文化交流宣誓書締結

【市長のブログ:2017年1月16日】

1月12日から2泊3日で台湾高雄市にある田寮区との国際観光文化交流の契りを交わして参りました。

高雄市は人口279万人で台北市に次いで台湾第2の都市。

平成10年から高雄市にお住いの書家、陳生憲先生らと故阿南福登先生ら竹田市民との交流が始まったのでしたが、きっかけはフレンドシップフォース大分の事業によってでした。以来、民間交流が続いておりましたが、阿南福登先生の葬儀に対し高雄市長の陳菊さんから供花がなされ、陳先生自らもわざわざ来竹されて弔意を示された場面に私自身が大きな感動を覚えました。

『政治に必要なものが2つある。それは理念と実行力である』とか。まさに、国際交流の意義は私の政治理念として息づいていますし、ドイツほどではないにしろ、長い交流の歴史が市民同士の友好を築いていることを知れば、今回の交流宣誓書の締結は自然の仕組みでもあったろうと思うのであります。

かくして実行に移された田寮区との締結式。『月世界』と呼ばれる神秘的な場所での式典でありましたが、高雄市の副市長である許銘春さんの立会いの下で田寮区の王昌文区長と署名させていただいた場面は、まさに竹田市のもうひとつの国際交流の扉が開かれた瞬間でもありました。

式典には、行政のトップである高雄市政府民政局の張乃千局長ら錚々たる顔ぶれが揃い、私たちの交流の始まりに大いなるパワーを授けてくれたのでありました。

一方、工藤隆浩商工観光課長らによる観光プロモーションは旅行会社15社、マスコミ5社、総勢30名という盛況ぶりで、いかに竹田市の前評判が高かったか、また高雄市の手配に関する配慮が行き届いていたかを教えてくれるものでした。特に関心の高かったのは1)ТAО 2)岡城 3)炭酸泉 だったらしいです。

高雄市とは過去の民間交流を基軸にして、炭酸泉やウェイクボードなどの共通点が多く、また飛行機で90分の距離であることなどを考えると深く・広く・長くお付き合いのできる自治体であります。通訳してくれた国立中山大学の郭先生の提案によると、学生たちの体験留学(1年間)の場所としても竹田市は魅力的で、受け方のホテルや旅館、農業実習などにも相互に大きな可能性を秘めていることが教えられました。

新年度では市民同士の新しい交流が生まれることは必至で、インバウンドの強化を含めて成果ある台湾訪問でありました。

ちなみに、この模様は写真や動画などでも紹介させていただきます。

・日本「九州小京都」與田寮締結姐妹情誼(51秒)