20170215-01昨年12月13日、台北で「天皇陛下御誕生日祝賀レセプション」が開催された際、主催する日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表は、台湾で唯一国際剣道連盟に加盟している「中華民国剣道協会」と、台北市内で毎月句会を開いている「台湾川柳会」に、日本文化の普及に尽力する功を讃え感謝状を贈っている。

以前から台湾川柳会と交流し、『近くて近い台湾と日本─日台交流川柳句集』も出版している東葛川柳会の江畑哲男(えばた・てつお)代表は我がことのように喜び、会報「ぬかる道」2月号の巻頭言で「日台川柳会の慶事」と記している。読んでいるこちらまで嬉しくなる、心地よく歯切れのよい巻頭言だ。

その江畑代表がこのたび、文法知識を生かす川柳の指南書として『よい句をつくるための川柳文法力』(新葉館出版)を出版、東京新聞が紹介記事を掲載したので下記にご紹介したい。

なお、台湾川柳会の代表をつとめる杜青春氏が東葛川柳会の2月句会にゲスト選者として来日するそうで、台湾川柳会との交流は深まっているようだ。2月句会は2月25日に開かれるという。

江畑代表はまた「川柳ブログ」をつづっていて、川柳のことばかりかと思いきや、本好きの江畑代表らしく『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』(八幡和郎、飛鳥新社)や『日韓 悲劇の深層』(西尾幹二・呉善花著、祥伝社新書)など多くの本の読後感も紹介している。

下記に江畑代表のブログと新著、東葛川柳会HPをご紹介したい。

◆江畑哲男川柳Blog

◆『よい句をつくるための川柳文法力』(新葉館出版、定価:1,728円)

◆東葛川柳会


文法知り、魅力に富む川柳を 我孫子の国語教諭・江畑さん指南書

【東京新聞:2017年2月6日「ひとキラリ」欄】

文法知識を生かす川柳の指南書「よい句をつくるための川柳文法力」を、我孫子市に住む東葛川柳会代表で、県立野田中央高校の国語教諭・江畑哲男さん(64)が執筆し、大阪市東成区の出版社から発刊した。「文法はお堅い印象だが、本当は面白く、ためになる」と力を込め、句作のほか、文章をつづる際にも役立ててほしいという。

江畑さんは、教職の傍ら、川柳に親しんできた。当初は趣味だったというが、国語教員という職業柄、同好の仲間から指導を頼まれるようになり、週休2日制移行に伴って「土曜日は生涯学習に充てよう」と、週末は東葛地域や埼玉県東部を中心に、各地の勉強会、教室へ飛び回るようになった。

34歳だった1987年、東葛川柳会の結成を呼び掛け、今月で352号となった月刊の機関誌「ぬかる道」の編集長や、事務局長を長年務めてきた。川柳についての著作は、今回で8冊目を数える。

今回の作品の特徴を、江畑さんは「40年の教壇生活と、川柳作家・指導者としての歩みを融合させたもの」と説明する。「学校で習う文法を、川柳にどう生かせるかを考え、執筆しました」

口語の川柳に、文法知識はあまり役立たないと思われがち。しかし、江畑さんは「例えば格助詞の『に』と『へ』は、どう違うのか。どちらを使うかによって意味が変わる場合がある。川柳は文字数が少ないので、知っておけば表現に幅が出てくる」と話す。

第1章では、助詞・格助詞や形容詞、動詞などについて、第2章では表記方法や句の止め方を中心に説明。第3章で川柳の技法を底上げさせるコツをひもといた。分かりやすく、しゃれなども交えてユーモラスにまとめた。

「川柳は入りやすくて奥が深い。自己流でやる人が多いけれど、私はライフワークで『学びの道筋』をつけたい」と江畑さん。東葛川柳会の30周年を記念した発句は「人の世に お仲間という宝もの」だ。

「よい句をつくるための川柳文法力」は1600円。問い合わせは、新葉館出版=電06(4259)3777=へ。