今月8日に逝去された李元簇・元副総統の葬儀が本日午前8時30分から台北市内の第一殯儀館(葬儀場)で行われた。
葬儀には、李登輝総統のほか、蔡英文総統や馬英九・前総統など、法務部(法務省)から出席許可が下りなかった陳水扁・元総統以外のすべての歴代総統副総統が出席し、李元簇・元副総統とコンビを組んで台湾の民主化を進めた李登輝総統が追悼文を読み上げた。抄訳は下記の通り。
葬儀は大規模な国葬を望まない遺族の希望もあり、慎ましやかに準国葬形式で行われた。
李元簇・元副総統は、1990年から1996年まで李登輝・第8代総統のパートナーとして副総統を務めた。
李元簇・元副総統追悼会あいさつ
2017年3月31日
李元簇・元副総統のご家族の皆さま、お集まりの皆さま、おはようございます。
本日、私は感謝と懐かしさの気持ちを胸にこの追悼会へ参りました。思い出しますのは、2012年10月、苗栗のご自宅へ伺ったとき、あなたが言われた「総統、私たちはやり通しましたね。国民をがっかりさせることはりませんでしたね」という言葉です。
私は、あなたが総統府秘書長の任にあったときから共に仕事をするようになりました。第8代総統に就任する際、あなたに副総統になってもらったのです。世間ではよく「静かなる副総統」と言われましたが、実際のところ、あなたはご自身の立場を守り、毀誉褒貶に走ることなく、権勢を恐れることはありませんでした。耳まで真っ赤にしながら大きな声で論じ、既得権益を守らんとする者たちを論破していったのです。まさに李副総統こそ「指導者の模範」であり、その地位に相応しい方でありました。
あなたはこの世を去られましたが、その精神を私たちは受け継ぎ、学んでいかなければなりません。これからはあなたが一生を捧げ、深く愛した台湾で安らかにお眠り下さい。別れ惜しくはありますが、これも神様の思し召しなのでありましょう。
最後に、どうぞ皆さまもお健やかにお過ごしくださいますように。