6月24日、台湾・花蓮県内の玉里駅において、JR西日本のC57-1列車「SLやまぐち号」と台鉄のSL、CT273列車「仲夏宝島号」が「姉妹列車協定」を締結した。心からお祝いするとともに、それを伝える中央通信社の記事をご紹介したい。
去る6月9日、台湾鉄路管理局から「台湾鉄道の友」として表彰された結解喜幸(けっけ・よしゆき)氏の『台湾と日本を結ぶ鉄道史』によれば、日台初の姉妹列車提携は2012年3月12日、JR北海道のC11形「SL冬の湿原号」と台湾鐵路管理局が運行するCK124牽引の観光列車との間で結ばれた「SL姉妹列車提携」だという。
ちなみに、昨日の本誌で、日台姉妹鉄道一番乗りの大井川鐵道と阿里山森林鉄道の心温まる31年目の交流についてお伝えしたが、日本で初めて蒸気機関車の復活運転を行ったのが大井川鐵道。結解氏によれば「年間を通じてSL列車の運行を行なっているのは同社の大井川本線だけであり、車庫のある新金谷駅に行けばいつでも蒸気機関車を見ることができる」という。
日台のSLが姉妹列車に 同じC57形のよしみで観光振興に一肌
【中央通信社:2017年6月24日】
台湾鉄路管理局(台鉄)・玉里駅(花蓮県)で24日、台鉄のSL、CT273列車「仲夏宝島号」と、JR西日本のC57-1列車「SLやまぐち号」との姉妹列車協定締結式が行われた。両列車はいずれも日本の川崎車両で製造されたC57形蒸気機関車で、今後はSLを通じた鉄道交流や沿線の観光振興などが期待される。
玉里駅は、夏だけ運行される特別列車「仲夏宝島号」の出発駅。同日は今年度の初列車出発日でもあったことから、同駅には日台双方の鉄道関係者のほか、国内外の旅行客や鉄道ファンなどが多数詰め掛けた。
C57-1は1937年製造で、計201両あるC57形の記念すべき第1号機。細いボイラーと大きな動輪の組み合わせによる美しいスタイルから、「貴婦人」の愛称で親しまれた。1972年に動態保存され、
1979年、SLやまぐち号として再デビューを飾った。
台鉄のCT273は1942年製造で、西台湾を南北に結ぶ西部幹線で当初は特急、後に普通列車のけん引車として運転された。1984年に台湾最後のSLとして惜しまれながら引退。2014年に「仲夏宝島号」として再デビューし、現在は毎年6月~8月の週末に東部の玉里-台東間を走る。