日経新聞は6月23日、林全・行政院長に対中政策やTPP加盟、米国との関係、日本からの食品輸入禁止問題などについて単独インタビューした。林全院長はTPPに関して「機会があれば参加を強く希望する」と表明しつつ「日本が主導することを歓迎する」と述べている。
これに対して、日本の菅義偉・官房長官は6月26日午後の記者会見において、記者団から台湾が加入する可能性を問われたのに対し下記のように答え、台湾の参加意向に歓迎の意を表するとともに「必要な情報提供を行っていきたい」と積極的な姿勢を示した。
<TPPは自由で公正な経済圏を地域や世界に広げていくため開かれた協定として合意されたものだ。台湾を含め、さまざまな国・地域が引き続きTPPへの参加に関心を示していることは歓迎をしたい。
わが国としては7月に日本で開催される高級事務レベル会合を含めて、今後、TPPの早期発効に向けた議論を主導的に進めていくとともに、台湾をはじめとする関心のある地域や国に対しても必要な情報提供を行っていきたい。>(6月26日「NHKニュース」)
中央通信社も菅官房長官の発言を取り上げているので下記に紹介したい。
台湾、TPP参加に意欲 菅官房長官「歓迎」
【中央通信社:2017年6月27日】
林全行政院長(首相)が23日、米国を除く11カ国での発効を目指す環太平洋経済連携協定(TPP)への参加意欲を示したことを受け、日本の菅義偉官房長官は26日の記者会見で、「台湾を含め、さまざまな国・地域が引き続きTPPへの参加に関心を示していることは歓迎したい」と述べ、必要な情報提供を行っていく考えを示した。
林行政院長は日本経済新聞のインタビューに応じ、TPPから米国が離脱し、日本が主要な推進国となったことに歓迎を示した。「今後TPP拡大を検討する際には、台湾を加入の対象にしてもらえれば」と期待を寄せた。
林行政院長は、他国との自由貿易協定(FTA)交渉において、中国大陸が台湾の妨げとなっていることにも言及。政治的な理由から協定締結を妨害し、両岸(台湾と中国大陸)の経済的・政治的衝突を引き起こしていると述べ、このような困難を克服してこそ、台湾のFTAの締結や参加の可能性がより広がるとの見解を示した。