沖縄県支部を設立するにあたり、支部設立準備会委員長に就いた大浜一郎氏(石垣エスエスグループ代表取締役社長、八重山経済人会議代表幹事、本会理事)は「設立趣意書」を事前に発表し、中山義隆・石垣市長をはじめ、八重山台湾親善協会や琉球華僑総会八重山分会、八重山経済人会議などに協力を求めています。
この設立趣意書には、日台の絆を育んできた歴史に沖縄が重要な役割を果たしてきたとして、1999年以降、毎年開催されてきた「台湾・沖縄フォーラム」や、石垣と台湾の歴史的つながりに言及しつつ「連綿と続いてきた台湾と沖縄の友好の歴史と先人を称え、さらに継承発展させていくためにも李総統閣下の日台運命共同体理念に賛同し、新しい日台関係を構築していくことは私たちに与えられた使命」だとして、沖縄県支部設立への理解と支援を求めています。
沖縄県支部の地域的特色がよく現れている趣意書です。下記に全文をご紹介します。
また、大浜氏は10月12日に沖縄県支部設立にあたり、支部長に就任されています。
平成29年(2017年)9月
日本李登輝友の会沖縄県支部(略称:沖縄李登輝友の会)設立趣意書
日本李登輝友の会理事・沖縄県支部設立準備委員会 大浜一郎
元台湾総統の李登輝閣下は、日本と台湾の関係について『歴史的にも、文化的にも日本と台湾の結びつきは強い。これほど強固な絆で結ばれた二国間関係は世界中どこにもないといえる。そして、日本と台湾は「民主主義」という価値観を共有する国である』と多くの著書で述べておられます。
一方、日本においても『台湾は基本的な価値観を有する重要なパートナーであり、大切な友人である』同様な趣旨の発言を総理大臣はじめ多くの要人も述べております。
このような2国間の強固な絆は、長い歴史の中で築き上げてきた先人の弛まない努力と2国間国民の相手を思いやる心豊かな信頼関係を拠り所としているのではないでしょうか。
このようにお互いを重要なパートナーと認め合い、今日まで強固な信頼関係を築き上げてきた歴史の中において沖縄は大変重要な役割を果たしてきました。
台湾と沖縄は黒潮圏域一衣帯水の関係にあり古くから文化、教育、経済などあらゆる面での交流が盛んに行われてきました。取り分け1例を挙げれば、台湾経済研究院と沖縄の南西地域産業活性化センターが主催する「台湾・沖縄フォーラム」は1999年以降毎年開催され、「経済貿易関係」「産業協力」「航空自由化」「製造業関連」「エネルギー関連」「防災救援活動」等々実に幅広い分野の連携強化を行うなど具体的な多くの成果を上げてきました。石垣―台湾航空路線実現もその一つとして取り上げることが出来ます。また、近年では台湾からのクルーズ船の増加や台北―那覇路線の新規就航や増便など海路・空路ともに充実ぶりがうかがえます。2016年の沖縄県外国人観光入域客のうち台湾人は65万人を超え全体の30%と観光交流は更に広がりを見せております。
一方石垣では、戦前・戦後を通じて、台湾からの入植者とともにパイナップルやマンゴー等の熱帯果樹や栽培技術が導入され、地域の農業は飛躍的な技術革新を遂げました。これら農業技術は八重山地域のみならず沖縄県内にも大きな富と繁栄をもたらしました。現在では、当時の台湾農業入植者の子孫の多くが日本国籍を収得。2世、3世として石垣市に暮らし、農業、商業等多くの分野で重要な役割を担っております。台湾と石垣市はこれまでの交流の歴史を礎とし、今日においても連綿としてその絆を深めさらに強固なものにしています。台湾蘇墺鎮との姉妹都市提携、台北教育大学への推薦入学協定及び交流を目的とする職員の派遣等多くの行政施策を推し進めているところであります。
さて、昨年盛夏の候、李登輝基金会、日本李登輝友の会、全国青年市長会、琉球華僑総会、八重山経済人会議等多くの皆様の支援を受け、李登輝閣下ご夫妻の招聘が実現し、盛況のうちに終えることが出来ました。国内から多くの参加者とともに石垣在台湾系子孫たちとの友好連携の絆を深められたことは歴史の新たな一頁として心に深く刻み込まれています。
あれから1年が経過しました。時節、沖縄県内外並びに台湾からも「日本李登輝友の会沖縄支部」結成の提案・要望が多々届いております。これを機に歴史的な経緯を踏まえ、地の利を活かし人の和をもって、沖縄支部設立をする運びとなりました。連綿と続いてきた台湾と沖縄の友好の歴史と先人を称え、さらに継承発展させていくためにも李総統閣下の日台運命共同体理念に賛同し、新しい日台関係を構築していくことは私たちに与えられた使命であると考えます。今後とも日台間の民間交流の活動・支援、充実を鋭意実践してまいります。
つきましては、多くの皆様のご理解とご支援を期待申し上げる次第であります。
以上