中国で3月5日から20日まで開かれている第13期全国人民代表大会は3月11日、国家主席の任期上限を撤廃する憲法改正案を賛成2958票、反対2票、棄権3票という圧倒的大差で採択したと伝えられた。
習近平が政権の長期化を図ったことについて、産経新聞は「米仏やインドの新聞はこれを独裁への動きととらえ批判的に報じた。米紙は中国モデルの世界への拡散を危惧し、仏紙は経済開放が民主化を促すという幻想が葬られたと指摘した。インド紙は、独裁に対抗するため民主主義国家が連携するよう訴えている」と報じている。
台湾の中央通信社は、李登輝総統も11日、「『皇帝制度は過去のもの』と述べて、台湾は徹底的に反対を貫くべきだと強調」し「優遇政策で台湾の人材と経済的競争力を空洞化しようとしている」とも述べ、「これがわれわれが直面する差し迫った危機だ」と伝えている。
「台湾は民主化を維持すべき」=李登輝元総統 習近平氏の“皇帝化”受け
【中央通信社:2018年3月11日】
李登輝元総統は10日、中国大陸の習近平氏が自身への権力集中を加速、長期化させることについて、「皇帝制度は過去のもの」と述べて、台湾は徹底的に反対を貫くべきだと強調するとともに台湾が民主化を維持するためにも高い関心を寄せる必要があるとの考えを示した。また、「このような状況の下、台湾の国連加盟は非常に重要」とも訴えた。
李氏の発言は、同日、台湾の国連加盟を目指す民間団体「台湾聯合国協進会」の大会に出席する前、報道陣からの質問に答えたもの。
大会ではあいさつに臨み、中国大陸は世界各地で投資・買収をして台湾の国際的な活躍の場を奪い、台湾問題を内政問題扱いすることで台湾と外国との結びつきを断とうと企んでいると力説。
また、一方では統一派勢力を養い、独立派との対立を激化させて社会秩序を破壊し、もう一方では優遇政策で台湾の人材と経済的競争力を空洞化しようとしているとも述べ、「これがわれわれが直面する差し迫った危機だ」と警戒感をあらわにした。
そして、虚構の「大中国」思想から抜け出してこそ主体性を持った「台湾アイデンティティー」が生まれる。この新たな基礎の上では、反民主的な中国大陸の思想は台湾で市場を失うとする見解を示した。
台湾人に生まれた「悲哀」を「幸福」に転換するのが一生の目標だという李氏。台湾は中国大陸の強権下で世界の孤児になるべきではないと訴え、95歳になる今でも、台湾を偉大な国家にし、国際社会に貢献できるようにするため、引き続き努力を続けていきたいと締めくくった。