台湾と国交を結んでいる南太平洋のソロモン諸島が、台湾と断交し、中国と国交を樹立する可能性があるということで、台湾政府は外交部の徐斯倹次長をソロモンに派遣して説得していたそうだが、9月16日、ソロモン諸島のソガバレ首相は「内閣会議を開き、台湾と外交関係を断絶し、中国と国交を樹立することを決めた」(中央通信社)という。
これを受け、台湾の呉釗燮・外交部長はソロモン諸島との断交を発表、日本経済新聞は「中国がソロモンの国会議員を買収して断交を手引きしたとし『強く非難する』と述べた」と報じている。
また、日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表(大使に相当)は、交流協会台北事務所のFacebookで「本協会は,両岸関係及び地域の平和と安定の観点から,今後の影響を含めて,本件を大きな関心を持って注視していきます。台湾をめぐる問題について,当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待します」との声明を発表した。台湾が国交国と断交した際に、交流協会がこうした声明を出すのは異例。
台湾と国交を結ぶ太平洋の国交国は、キリバス共和国、マーシャル諸島共和国、ナウル共和国、パラオ共和国、ツバルの5カ国となった。また、蔡英文政権が発足して以来、断交国は下記の6ヵ国で、国交締結国は16ヵ国。
1)2016年12月21日:サントメ・プリシンペ民主共和国
2)2017年6月13日:パナマ共和国
3)2018年4月30日:ドミニカ共和国
4)2018年5月24日:ブルキナファソ
5)2018年8月21日:エルサルバドル共和国
6)2019年9月16日:ソロモン諸島
台湾、ソロモンと断交 国交国16カ国に 呉外相「極めて遺憾」
【中央通信社:2019年9月16日】
呉釗燮外交部長(外相)は16日夜、太平洋の島国ソロモン諸島との外交関係断絶を発表した。中華民国(台湾)と外交関係を結ぶ国は16カ国になった。
ソロモンのソガバレ首相は同日、内閣会議を開き、台湾と外交関係を断絶し、中国と国交を樹立することを決めた。これに対して呉部長は「極めて遺憾であり、強く非難する」と述べた。
中華民国は1983年にソロモン諸島と国交を樹立。ソロモンは台湾が外交関係を有する太平洋の国のうち、面積(2万8450平方キロメートル)、人口(約60万人)ともに最大だった。残る太平洋の国交国はキリバス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ツバルの5カ国。
蔡英文総統が2016年5月に就任して以来、台湾と断交した国は6カ国目。