本会の使命は李登輝先生の透徹した日台運命共同体理念に共鳴し、その速やかな実現と両国の鞏固な結合を図ることにあります。そのためには二つの条件が考えられます。
第一は、我が国が台湾を正統な独立主権国家として認知し、正規の国交を回復し、台湾の国際社会への復帰を支援することです。残念乍ら政官界や報道界の現状を見ますとその実現は容易ではありませんが、国民大多数がこれを支持していることは疑いありません。何よりも日台両国の緊密化が我が国の安全保障にとって不可欠であることを政府、国民に銘記させる努力を続けていくことが必要です。
第二の条件は、台湾国民の国民的アイデンティティの確立です。李登輝先生はかねてからこれを繰返し主張して来られ、台湾正名運動として取組んで来られました。2004年2月28日の南北を貫く「人間の鎖」(手護台湾運動)は200万を超える参加者を数え、私共に深い感銘を与えました。幸いに3月の総統選で陳水扁総統が再選され、台湾の国勢が安定したことは何よりの喜びです。これを機会に、私共は李登輝先生の活動をできるだけ支援し、日台交流の一層の緊密化を図っていきたいと思います。
最後に、世界最高の哲人政治家であり最大の親日家である李登輝先生の来日が速やかに実現されなければなりません。既に民間人となられた李登輝先生のヴィザ発給に何の支障もない筈です。外国からの圧力でこれが妨害されるとすれば、それは独立国家たるの実を否定することです。李登輝先生が「奥の細道」を心おきなく散策できるようにするため最大の努力を致したいと思います。
会長 小田村四郎
(2004年4月、新会長就任挨拶より抜粋)