◆【首を絞めて殺害か 台湾の女子大生遺棄事件】 (2004/07/02 共同通信)
山梨県富士吉田市で台湾の女子大生、蕭任喬さん(21)が殺害され遺体で見つかった事件で、蕭さんの顔にうっ血痕があることが2日、富士吉田署捜査本部の調べで分かった。
死体遺棄容疑で逮捕した同市の無職渡辺高裕容疑者(25)が殺害を認める供述をしており、捜査本部は渡辺容疑者が首を絞めて殺した可能性が高いとみて追及する。
また2日朝から遺体が見つかった現場を検証するとともに、司法解剖して死因の特定を急ぐ。
調べでは、蕭さんは6月28日午後11時半すぎ、宿泊先の富士河口湖町のホテルから約500メートル離れたコンビニで目撃されたのを最後に行方不明となり、富士吉田市で1日夕、遺体で発見された。
◆【蕭さんの遺体兄が引き取る 台湾の女子大生殺害事件】 (2004/07/03 共同通信)
台湾から観光旅行で山梨県富士河口湖町に来ていた女子大生、蕭任喬さん(21)が殺害された事件で、一緒に旅行していた兄の蕭任凱さん(22)が3日、富士吉田署を訪れ、遺体を引き取った。
遺体は同県富士吉田市内の斎場に運ばれ、同日夜に台湾から到着する両親や恋人らと対面した後、4日に火葬され、6日に台湾に帰る予定。
斎場に向かう車中で、任凱さんはぼうぜんと正面を見続けたまま動かず硬い表情。署員らが頭を下げて整列し、静かに見送った。
任喬さんは旅行中の6月28日夜、兄に「電話をかけてくる」と言ってホテルを出たまま行方不明になった。1日、同市の無職渡辺高裕容疑者(25)が出頭し「声を掛けて車に乗せ殺害した」と供述、同市内の道路脇で遺体が見つかったため、県警は死体遺棄容疑で逮捕、3日送検した。殺人容疑でも追及する。
◆【「天国から裁判見守って」 山梨で蕭さんの告別式】 (2004/07/04 共同通信)
台湾からの観光旅行中、山梨県で殺害された女子大生、蕭任喬さん(21)の告別式が4日、同県富士吉田市の葬儀場で営まれ、台湾から駆け付けた母親の謝秋端さんら家族は「天国で裁判見守って」と声を詰まらせた。
午前11時半から始まった告別式には家族のほか日本に駐在する台湾の関係者ら約50人が参列、台湾の行政院長らの弔辞が読まれた。
謝さんはショックのため親族に支えられながら号泣。任喬さんと一緒に旅行をしていた兄の蕭任凱さん(22)は「家族は悲しみのどん底だ。犯人が日本で厳正な裁判を受けるのを天国から見守ってくれ」と悲痛な面持ちで別れを告げた。
将来は日本とかかわりのある仕事を希望していた任喬さんに日本語を教えていた静宜大学の教師曽煥棋さん(54)は「台湾からの観光客が富士山を見るたびにあなたのことを思い出すでしょう」と声を震わせた。遺体は午後零時半すぎに出棺、だびに付された。
◆【新駐日代表が遺族見舞う 台湾女子大生殺害事件】 (2004/07/05 共同通信)
台湾から観光旅行に来ていた女子大生蕭任喬さん(21)が山梨県で殺害された事件で、台湾の新駐日代表として5日に来日した許世楷氏が同日夜、東京都港区の台北駐日経済文化代表処で蕭さんの家族と面会、「真相解明のためにできるだけのことをしたい」などと話し、弔意を表した。
代表処によると、許代表は蕭さんが通っていた台湾の大学で教授を務めていたこともある。事件について代表は「事件捜査について双方が努力することで、台湾と日本の関係がより深くなるようにしたい」と述べた。
遺族はこの日、代表処に蕭さんの死亡を届け出るなど帰国準備。6日朝、成田発の航空機で遺骨とともに台湾に帰る。台湾では追悼集会が開かれる予定という。
◆【富士山山小屋でジャズ演奏 24日、蕭さん追悼の曲も】 (2004/07/14 共同通信)
富士山頂にかかる天の川を見ながらジャズ演奏を楽しむ「milky way jazz concert」が24日、富士山吉田口6合目の山小屋「里見平・星観荘」で開かれる。6合目以上の山小屋での野外コンサートは初の試み。
コンサートの最後には、台湾から観光旅行中に山梨県富士吉田市で殺害された女子大生蕭任喬さん(21)を追悼する鎮魂歌として「アメージング・グレイス」を演奏。山小屋の経営者井上昇さん(57)は「あこがれの富士山のふもとで亡くなった蕭さんが星になって輝けるように」と話している。