最近、政権与党の幹部や首脳を通じて、台湾の李登輝前総統が9月下旬から上旬にかけ、ご家族四人で観光を目的として来日される意向であることが報道されました。

前回、李登輝前総統が来日されたのは平成13年(2001年)4月のことでした。周知のように、このときの来日に際しては査証(ビザ)発給を巡って、日本政府が中国(中華人民共和国)に配慮して査証申請を受理しなかったという不誠実な対応が明らかとなり、李登輝氏が激怒されたこともありました。結果的に査証が発給されたのは、心臓病の治療という人道的な観点からでしたが、日台の心ある人々の支援があったからでもあります。

そこで、そのような査証発給問題を日本で起こさせないようにし、また、日本と台湾がこれまで続けてきた豊かな民間交流を先細りさせないために設立されたのが日本李登輝友の会であり、李登輝氏の来日実現をその目的の一つとしています。

一部報道によりますと、外務省幹部の「李氏は前総統のうえ、今も政治活動を続けており、純粋に私的な来日とは判断しにくい。12月には台湾立法院(国会に相当)選挙もあり、ビザ発給は困難だろう」と、査証発給を牽制する発言も伝えられています。

しかしながら、総統を辞めてからすでに4年以上経ち、李登輝氏は今やまったくの私人の立場にあります。外務省幹部は「純粋に私的な来日とは判断しにくい」と発言しているようですが、それでは台湾で「今も政治活動を続けて」いる政治家はこれまで一度も来日していないのでしょうか。

実は、李登輝氏が来日した直後の8月12日には馬英九・台北市長が福岡を訪問、山崎広太郎市長と会見し、福岡ドームで始球式に臨むなどして15日に帰途についています。

また、その年の12月15日には連戦・中国国民党主席が夫人を同行して来日しています。これは日華議員懇談会の招待によるものですが、現職の国民党主席が来日したのは戦後初めてだそうで、成田空港では交流協会理事長や台湾の駐日代表らが出迎え、連戦主席は海部俊樹・元首相や森喜朗・前首相などとも会見し、7泊8日の後、22日に帰台しています。

さらに、昨年3月5日には今回の総統選挙で連戦候補とコンビを組んだ宋楚瑜・親民党主席が来日し、6日に福岡ダイエーホークスのオープン戦で始球式に臨み、10日には横浜で中田宏市長と懇談して13日に帰台しています。その上、なんと総統選挙に正式出馬していた9月16日には再び来日しているのです。

以上のように、日本でもその名を知られる台湾を代表する現役政治家が来日し、日本の政治家と会談しています。なぜ李登輝氏だけに査証が発給されないのか、不可解この上ないことです。日本政府及び外務省の対応に矛盾があるとしか言いようがありません。

つきましては、ここに日台交流に理解を示される日本と台湾の有志団体が相集って「李登輝先生来日歓迎実行委員会」を設け、李登輝氏への速やかなる査証発給を求めるとともに、台湾に対する日本政府並びに外務省の歪んだ姿勢を正してまいりたいと存じます。

この趣旨をご理解賜りご賛同いただけるようでしたら、何卒ご加盟くださいますようお願い申し上げます。

 平成16年9月吉日

 日本李登輝友の会 会長 小田村 四郎


ご賛同いただける場合は、「加盟承諾書」に必要事項をご記入いただき日本李登輝友の会までお送りくださるようお願い申し上げます。なお、この歓迎実行委員会は団体加盟を原則とします。今後、どのような活動を展開してゆくかにつきましては、ご加盟いただいた団体にそれぞれご連絡申し上げます。

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【送り先・お問い合わせ】本会事務局 : 柚原・片木