◆台湾:李登輝前総統の訪日、12月まで認めず 政府方針
政府は3日、の李登輝前総統が非公式に訪日希望を伝えてきている問題について(1)9月末の訪日は認めない(2)立法委員選挙(総選挙、12月11日)以降に訪日希望があれば、無条件で訪日を認める--との方針を固めた。李氏は自民党幹部を通じて9月末に「観光目的」で来日したいとの意向を伝えて来ている。
9月末の訪日を認めない理由としては▽同時期に北朝鮮の核問題に関する6カ国協議が予定されており、中国を刺激するのはよくない▽李氏は日台関係の良好さをアピールし、選挙で自らの影響下にある政党「台湾団結連盟」の躍進を狙っているという見方もあり、選挙に利用されかねないとの懸念があった。
01年4月に来日を申請した李氏に、当時の森喜朗首相は「人道目的」で査証(ビザ)発給を認めた。(9月4日付 毎日新聞)
◆李前総統が年内訪日を断念 日本政府が見送り要請
9月下旬に日本を訪問する意向を示していた台湾の李登輝前総統が15日までに、年内の訪日を断念することを日本側に伝えた。小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題などで日中関係がぎくしゃくしている中で、「新たな火種」を抱えたくない日本政府が李氏側に見送りを強く働き掛けた。
李氏は8月下旬、観光目的で訪日する意向を自民党幹部らに伝達。これを受け、自民党首脳は「公職を離れて相当たっているので当然、私人だ。観光目的ならいいのではないか」と、政府は入国査証(ビザ)を発給すべきだと主張していた。
しかし、首相官邸や外務省は中国の猛反発は必至と判断。北朝鮮の核問題をめぐる6ヶ国協議の議長を務めてきた王毅・中国前外務次官が駐日大使に着任したばかりで、6ヶ国協議に影響を与えかねない-などの理由を挙げ、関係者を通じて李氏側に再考を促していた。(9月16日付 共同通信)
◆産経新聞報道「台湾・許世楷代表 李登輝前総統の訪日受け入れ”日本は自主判断を”」
今月下旬も視野に観光目的での訪日を希望している台湾の前総統、李登輝氏への査証(ビザ)発給問題について、駐日大使にあたる許世楷・台北駐日経済文化代表処代表は産経新聞に対し、「日本側はすでに原則として(訪日を受け入れる)判断はある程度できている」との認識を示した。
この問題で、日本政府は中国への配慮から慎重な構えを崩していない。総統改選(3月)と立法委員選挙(総選挙、12月)が続くことで台湾問題が注目を集める年内は見送り、年明け以降に再検討されるとの見方が強まっている。
これに関して許氏は、「公職を離れた一市民の受け入れをためらう理由は見当たらない」として、日本が自主判断するよう期待を表明。政治活動の規制など、李氏の外遊に当たって問題となる入国条件についても「言論活動の制限は民主主義にも、日本の民意にも反する」として、自由な立場で李氏の入国を認めるよう求めた。
また、台湾の名称を「中華民国」から「台湾」に変更を図る「正名運動」が広がる中で、許氏は台湾の駐日機関である「台北駐日経済文化代表処」の名称についても「中国が主張する『一つの中国』に対応して現実をねじ曲げたもの」と指摘し、「台湾代表処」に改名したいとの考えを示した。
ただ、こうした名称問題では、中台間の政治対立と密接に絡むことから、許氏は「改名は陳総統の任期中に実現したい」としながらも、「台湾代表処」という名称を「略称」として定着させる腹案も視野に置く考えだ。
改名の是非に関する台湾での意思統一に関して、許氏は立法院(国会に相当)で与党・民進党が過半数に届かない現状では「皮肉にも(台湾の)内部統一が図れない」とも指摘。改名も年末の立法委員選挙で民進党が安定多数を得た上で、台湾の新憲法制定を経て関係国に理解を求める必要があるとの考えを示した。(9月15日付)
◆TaipeiTimes報道「日本政府、李登輝前総統へのビザ発給拒否」
台湾の英字紙TaipeiTimesは、産経新聞(9月5日付朝刊)の記事を引用し、日本政府が李前総統へのビザ発給を拒否したこと、立法院選挙が終わる12月以降ならばビザ発給をする意向であることなどを伝えた。本文中、「日本政府は北京政府を怒らせることを恐れている」と日本政府を非難している。また、4日(土)に大阪で行った講演の中で羅福全・亜東関係協会会長は、「李登輝前総統が訪日を希望するのは、政治的思惑からではなく、外交の道具にされるべきものではない」と話した。(9月6日付 TaipeiTimes)
◆産経新聞報道「政府、来年以降に李登輝前総統の訪日受け入れ」
今月下旬に観光目的で訪日したい意向を示しているとされる台湾の李登輝前総統への査証(ビザ)発給問題について、政府は12月に台湾の立法委員選挙(総選挙)が予定されていることから年内は受け入れられないものの、来年以降なら観光目的での訪日を受け入れる方針を固めた。政府関係者が3日、明らかにした。
李前総統は平成13年4月に心臓病治療のために来日したが、今回は松尾芭蕉の「奥の細道」ゆかりの地を訪れたいとの希望を示しているという。政府・与党内には「公職を離れて相当たっており、観光ならいいのでは」(自民党首脳)との意見も強かった。その一方、李前総統は台湾団結連盟の精神的なリーダーとされるため「12月の選挙戦に影響を与える可能性がある」(外務省幹部)との懸念もあった。また、中国からはこれまで同様に懸念が伝えられていた。
このため、政府は年内はビザを発給しないものの、来年以降は政治的な活動をしないという条件で容認する形で決着を図ることとなった。
李前総統は14年11月にも慶応大三田祭での講演のためビザ申請したが、日本政府が発給しない方針を示し、断念した経緯がある。(9月4日付朝刊)
◆毎日新聞報道「李登輝前総統の訪日、12月まで認めず 政府方針」
政府は3日、の李登輝前総統が非公式に訪日希望を伝えてきている問題について、9月末の訪日は認めない、立法委員選挙(総選挙、12月11日)以降に訪日希望があれば、無条件で訪日を認める―との方針を固めた。李氏は自民党幹部を通じて9月末に「観光目的」で来日したいとの意向を伝えて来ている。(9月4日付朝刊)