【抄訳】李登輝前総統は、今も多くの台湾人にとっての英雄だ。李氏はかつて、約束の地に導くモーゼに自らをたとえたこともある。
そんな李氏が先週、日本の人気漫画の登場人物に扮装した写真が公開された。不良生徒を更生させる校長先生の役で、剣道の師範という設定だ。
李氏は日本の伝統的衣装である袴に身を包み、2人を従えた写真を自らが校長を務めるシンクタンク(群策会)のHPに公開した。ここで、李氏は台湾アイデンティティを育てる講義を行っている。
また、このパフォーマンスは来月に迫った立法院選挙も睨んでいるとされる。李氏が精神的支柱の台湾団結聯盟は43名の候補者を立てて臨む。
李氏がかつて所属していた国民党のある人物は、「李登輝氏がどんな格好をしようが、所詮は漫画の中の登場人物のマネ。一部の若者くらいにしか影響を与えないだろう」と話す。
しかし、もしかしたら李氏は老年層の票も取り込むかもしれない。李氏扮する江田島校長もまた80歳代なのだ。【TIME(アジア太平洋版・11月29日号)より】