李登輝前台湾総統来日についての歓迎声明と政府への要望
本日の報道によれば、政府は李登輝前台湾総統の来日を認めて中国政府にも通告し、査証(ビザ)発給の方針を決定したようである。
細田博之官房長官は本日の記者会見で「李登輝氏から年末年始に純粋な観光目的の家族旅行をしたいと申請があった」と述べ、また、小泉純一郎首相も町村信孝外相も「一市民が観光目的で来日するのを断る理由がない」と表明している。
政府はこれまで台湾の現役政治家である連戦・中国国民党党主席や宋楚瑜・親民党主席などにビザを発給し、来日時の政治的言動も制限してきていない。それなのに、なぜこれまで李登輝前総統にだけビザを発給しないのか理解しがたい対応を取ってきた。
李登輝前総統の来日実現を目的の一つに掲げて設立した本会が、本年八月末に起こった同氏のビザ発給問題の折、「李登輝先生来日歓迎実行委員会」設立を提唱したところ、全国から150を超える団体より賛同いただいている。
このような経緯に鑑み、本会は今般の政府の李登輝前総統に対するビザ発給決断を全面的に支持し、その来日を心から歓迎するものである。
ついては、以下のことを政府に要望したい。
一、すでに政府のビザ発給方針を取り消すよう抗議している中国政府の外圧や、国内の反対勢力に屈することなく、毅然とした姿勢でビザ発給方針を貫徹されるよう要望する。
一、ビザ発給に当たっては、観光目的で家族とともに来日されるのであるから、平成十三年四月来日時のような「政治的な言動をしない」などの条件を付することのないよう措置することを要望する。
一、日本国内において、李登輝前総統やその家族に危害を加えるようなテロ行為に対しては、それを未然に防ぐ万全の措置を講ずるよう要望する。
一、政府は近い将来、台湾からの観光客に対するビザ免除の方針を表明し、今般の来日を「断る理由がない」と承認したからには、李登輝前総統がいつでも自由に来日できるよう、現時点で数次査証(マルチ・ビザ)を発給するよう強く要望するものである。
平成16年12月16日
日本李登輝友の会
会長 小田村 四郎