台湾政府は9月1日、独裁者・蒋介石の号である”中正”を冠した「中正国際空港(Chiang Kai-shek International Airport)」を「台湾桃園国際空港(Taiwan Taoyuan International Airport)」に名称変更することを決めた。6日の閣議で承認され、直ちに実施される。
名称変更は、8月12日に陳水扁総統が講演の中で提議したもの。これに対し、馬英九・国民党主席は反対を表明していたが、空港のお膝元である朱立倫・桃園県長(国民党)は賛成を表明していた。
中正国際空港は蒋経国時代に十大建設の一つとして建設され、もともと桃園国際空港と命名される予定だったが、開港直前の1979年1月に突然、行政院閣議で中正国際空港とすることが決定された。当時は国民党独裁体制で、変更についての説明はなされなかった。中正国際空港の命名は行政院閣議によってなされたため、閣議によって変更手続きが可能として踏み切ることにした。
黄昭堂・台湾独立建国聯盟主席は「遅すぎるぐらいだ」とした上で、「次は中国石油、中国鉄鋼、中華航空の正名を行うべき。」と訴えている。また、李登輝前総統は記者団に「中華民国も台湾に正名すべき」と語っている。