平成18年年1月16日に逝去された伊藤潔先生(杏林大学前教授、台湾名・劉明修)の追悼集会がアルカディア市ヶ谷にておいて開催されました。本会の柚原正敬・事務局長が呼びかけ人の一人になっています。また、追悼集会にあたり、李登輝前総統から弔辞が届いています。
伊藤潔先生への弔辞
伊藤潔先生の御葬儀が執り行われるにあたり、ご霊前に追悼の言葉を申し上げます。
先生はご生前、多大なる学術的な貢献を果たされましたが、それとともに台湾人として、日本人として、台湾と日本という二つの祖国を愛され、両国の親善交流に指導的な役割を果たされたことは、誰もが認める先生の大きな功績であります。
ことに生涯をかけて台湾の独立建国のために邁進されたことに、私は尊敬の念を禁じ得ません。
思えば私が総統在任中、台日関係のため、両国間を頻繁に往来された先生は、台湾が中国の一部などではなく、民主自由の主権独立国家であることを日本国民に広く紹介され、また私のよきアドバイザーとして、両国関係の在り方について、さまざまな助言を与えてくれたものでした。
先生が一貫して唱えられたように、台湾は台湾人の国として、国際社会における地位を獲得し、日本とともにアジアの、そして世界の平和と安定のために大いに貢献していかなければなりません。
私は先生のお志を無駄にしないためにも、これからも台湾のため、台日共栄のために全力を尽くして行く所存です。
ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
二〇〇六年一月十六日
台湾前総統 李登輝