【岩手県平泉町/中尊寺】中尊寺、中国仏教団体の圧力に屈し、李登輝前総統を一般客と同じ扱いに
李登輝前総統ご一行は、午前9時、松島の投宿先「松庵」を発ち、岩手県平泉町の中尊寺へ向かわれた。
中尊寺は、李氏の訪日直前に訪れた中国の仏教関係団体から「李登輝氏を特別扱いしたら、今後の仏教交流は中止する」との圧力を受け入れ、予定されていた管主の出迎えなど、当初の歓迎を全てキャンセル。一般客と同じ扱いにすることを本会岩手県支部など関係者側に通告した。李氏一行の到着に際して、中尊寺側は出迎えを一切控えた。
降車場所についても、一般客と同じ扱いのため、84歳の李氏は車で山の上の境内まで行くことは出来ず、本会支部関係者の要請で、なんとか途中の坂まで車を入れることを許された。当初指定された駐車場から境内までは長い坂道が続くため、境内の手前まで車を乗り入れたいとの要望に対し、中尊寺担当者は「事前要請がないため無理」との返事。
それでも李氏ご一行は本堂を拝観後、金色堂を見学され、松尾芭蕉像と共に写真を撮って藤原三代の栄華を偲ばれた。また報道陣から感想を求められると、「なぜ藤原氏がこの地に都を作ったのか、色々と勉強したのだが、未だにこれといった答えがないんだ。帰ったらもう一度勉強しなきゃならん」と笑顔を見せた。
一行は昼食後、水沢の後藤新平記念館を訪れる。
【岩手県岩手県奥州市水沢区/後藤新平記念館】後藤新平生誕150周年記念式典に参加
李登輝前総統は昼食後、岩手県水沢の後藤新平記念館を見学、隣接する公民館で行われていた記念式典に参加。挨拶を述べ、会場の人々から拍手喝采を浴びた。退出時、客席からは期せずして万歳が沸き起こった。
【岩手県盛岡市/先人記念館】新渡戸稲造愛用の机で先人記念館に名前を残す
李登輝前総統ご一行は盛岡市の偉人を展示する先人記念館を訪れた。館内には、新渡戸稲造、米内光政、金田一京助らの特別展示室をはじめ、盛岡が輩出した偉人ゆかりの品を展示。
吉丸蓉子館長の案内で見学された李氏は、ご自身の愛読書『武士道』を著した新渡戸稲造の展示室では熱心に見学。新渡戸稲造愛用の机でご記帳された。
関係者が「お名前だけで結構ですよ」と申し上げるも、李氏は律儀にも住所までお書きになる。しかし、私邸の住所はうろ覚え。心配した孫の坤儀さんに助け舟を出してもらい無事に記帳された。
ご一行は見学後、JR盛岡駅へ向かい、17時24分発の秋田新幹線こまちで田沢湖畔の夏瀬温泉「都わすれ」へ投宿された。5日午後からは角館武家屋敷などを散策される。
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