前住所を捏造する吹田市役所
元台湾台北市民
お役所というのは、書類上の決まりにばかり囚われて、事実に反することをして平気な顔をしていることがある。
私の地元の大阪府の吹田市役所もその恥ずかしい役所の一つだ。細かいことかもしれないが、誰かが言わないと、そもそも間違いということにすら気づかなかったりするから一応書いておく。
吹田市役所は住民票に記載される私の前住所を捏造した。
私は吹田に帰ってきたとき、前住所を「台湾台北市中山区林森北路~」と書いたはずだが、役人は「台湾」の前に「中国」を書き加えた。私がその書類を提出するときに、「中国」は間違いなので爪で消して出した。
別の日、住民票が必要になったので、吹田市役所に申請に行った。もらった住民票を見てビックリ! 私の前住所は「中華人民共和国台湾省」となっていた。
そんなアホな!?
これは、明らかに間違いであり、このような住所は実際には存在しない。台北市は台湾省ではないのだ。
もう少し深くいまの台湾の行政区画を厳密に説明すれば、台湾の現在の国名は「中華民国」で、その下に台湾省、福建省、台北市、高雄市がある。
つまり、台北市は行政院直轄市なので、台湾省と同等の地位であり、台北市は台湾省の一部ではないのだ。また、「中華民国」の福建省と台湾省は実質上凍結されており、廃止されていると言っても過言ではない。(中華民国福建省の管轄は金門県と連江県だけだから、福建省という行政組織はあっても意味がない。台湾省も中央政府と管轄がダブりすぎて置く意味がない)。疑うなら、台湾人にいまの台湾省長は誰だ?と聞いてみればよい。おそらく100人中99人が知らないと言うだろう。百歩譲って「台湾省」の存在を認めるとしても台北市は台湾省ではないのは台湾では常識中の常識だ。
それから、さらに重要なことは、台湾は決して「中華人民共和国」ではないということだ。こんなことはあたりまえのことだが、それを知っていながら、それに見て見ぬふりをして、中国に配慮した気になっている醜い人間がたくさんいるのは嘆かわしいことだ。
現在の台湾の総統(大統領)は陳水扁(タン・ツイピイ)、行政院長(首相)は張俊雄(ティウ・ツンヒョン)であって、中華人民共和国(中国)の胡錦濤・国家主席や温家宝首相は台湾とは関係ない(台湾人がいくらがんばったって中国の国家主席なんかにはなれない)。
台湾の台北市は、「中華人民共和国台湾省台北市」ではない。私が住んでいた「中華民国(台湾)台北市中山区林森北路」がどうしても認められないというのなら、実際に存在した旧住所「台湾総督府台北州台北市大正町」のほうが、幻の住所を勝手に創作するよりましだ。一般的に、旧住所なら郵便が届く可能性はあるが、存在しない幻の住所に配達できる神業の郵便配達員はいない。
「中華人民共和国台湾省台北市」という住所は存在しない。実際に存在しない住所を記載するのは明らかに捏造であり、実際にありもしない住所を妄想しているというのは実に馬鹿らしい。住所を故意に誤記するというのは相手に対する明らかな嫌がらせであり、きわめて失礼な話だ。
ありもしない中華人民共和国台湾省という蜃気楼を夢みている吹田市役所発の郵便物は千回送り続けたところで台湾には届かない。住所は正確に書かないと、届きませんよ。
吹田の役人らは、台湾へ旅行に行くとき、まさか中華人民共和国の大使館にビザの申請へ行くのか?そんな隣国事情を知らない恥ずかしい吹田市役所の役人は中華人民共和国大使館で台湾のビザ発給を死ぬまで待ち続けるがよい。