20070728今春、『知られざる東台湾-湾生が綴るもう一つの台湾史』を上梓した、台湾は花蓮港で生まれ育った山口政治氏が講演の中で「教科書に『雪やこんこん あられや こんこん』とあっても、われわれは分からんのだよ。いったい雪というのはどう降ってくるのか分からんまま歌ってたんだね」と話されたことがあった。

台湾の日本統治時代にはいったいどのような教科書を使っていたのだろうか。日本国内と同じ教科書を使っていたのだろうか。

実は、日本国内でその教科書を見ることができる。それが昭和4年(1929年)に創立された玉川大学の教育博物館だ。

創立者の小原國芳氏は「学生生徒に本物を見せることを通して得られる感動を大切にしたい」と考えていたことから、創立以来、教育資料の蒐集に努めてきたそうだ。

教育博物館の所蔵品の中に「旧外地教科書」があり、戦前、台湾や朝鮮で使われていた教科書を所蔵している。最近、所蔵する旧外地教科書の目録を発行した。昭和のはじめから収蔵してあるようで、その数は1万5千冊ほどにもなっている。

台湾では、国立中央図書館分館、中央研究院台湾史研究所図書館、国立台湾師範学院図書館などに、台湾総督府発行の公学校教科書が所蔵されているが、「いずれも体系的な所蔵状況とはいえない」(玉川大学教育博物館の白柳学芸員のレポート)そうで、その点で、玉川大学教育博物館の所蔵が「世界一」だそうである。

■玉川大学教育博物館
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