20080110-01中国はここまで露骨で悪質な工作をやる。

1月9日発行の「夕刊フジ」1月10日号が伝えるところによれば、昨年(2007年)秋発売した学研トイズの地球儀「スマートグローブ」は、中国政府の指示により、台湾に関して、台湾を「台湾島」に、音声案内では「中華人民共和国」としているという。

学研トイズ側は「工場が中国にあり、中国政府から表記を変更しないと日本への輸出を認めないと迫られた」ため「仕方なく中国政府の指示に従った」と弁明、説明書に「生産国の中華人民共和国政府の指示により、地球儀表面の『台湾』の表記が『台湾島』音声が『中華人民共和国』となっております」などと記したメモを添付しているそうだ。

本会ではこれまで「台湾正名運動」の一環として、台湾を中国領土とするように国境線を引いている文部科学省検定合格の中学校地図帳を問題視して是正を求めてきた。日本政府の見解と異なるにもかかわらず、中学生が現在使用している地図帳でさえこの有様だ。

この学研地球儀は商売とはいえ、完全に中国の要求に屈した形で販売している。中国の圧力はここまで露骨で品がない。それもそのはずで、一秒も寸土も台湾を統治したことがない中国は、東アジアに覇権を確立して日米に対抗するため、台湾併合を最大の国益・国策としているからだ。

20080110-02学研トイズのせめてもの救いは、台湾に関しての措置として「メモ」を添付したことだ。しかし、このメモでは台湾が中国の領土でないことは分からない。ましてや、地球儀そのものにメモが張ってあるわけではないし、外箱にさえ記載されていないという。

メモなどはいずれどこかへ消えてゆくものだ。あくまでも応急処置でしかない。そうなれば必然、本体の地球儀だけが一人歩きするのは目に見えている。

地球儀はほとんどが学習教材だ。またしても、被害を受けるのは日本の子供たちなのである。日本の将来を担う子供たちに「台湾は中華人民共和国」という間違った認識を与え続ける可能性が非常に高いのである。商売のため、企業利益のため、日本の子供たちを犠牲にしていいわけがない。

したがって、日本の子供たちをはじめ購入する日本人に誤った認識を与えないため、販売を中止するのがまっとうな措置だ。それが国益に適うのは衆目の一致するところであり、台湾の人々も同感してくれるものと確信する。

本誌編集部は、すでに兄弟誌「台湾の声」編集部が発表しているように、学研トイズに販売中止を要求するとともに、心ある方々にこのような粗悪品の不買を求めるものである。

本会メールマガジン『日台共栄』編集部

※学研がホームページに掲載していた商品案内は既に削除されているが、本会が保存していたものがこちらからご覧いただける。