6月1日夕刻、東京・港区のホテルオークラ東京において離任が予想される台湾駐日代表処の許世楷代表と盧千恵夫人を送る「許世楷代表ご夫妻送別会」が開かれ、政財界はじめ全国各地から有縁の人々約800人が駆けつけ、日華議員懇談会など65団体による共催で盛大に行われた。
司会の南丘喜八郎(月刊「日本」主幹)の案内により、許世楷代表と盧千恵夫人が拍手で迎えられて会場に入ると、許代表とは学生時代からのお付き合いになるという何康夫・在日台湾同郷会会長が開会の辞で、ご夫妻のエピソードを披露しつつお二人の人柄を紹介、なごやかな雰囲気のうちに開会した。
許代表ご夫妻を送る言葉は、安倍晋三(前首相)、櫻井よしこ(ジャーナリスト)、金美齢(評論家)、詹徳勲(日本中華聯合総会会長)、ジュディ・オング(歌手・女優)、阿川佐和子(女優・文筆業)、中川昭一(衆議院議員)の順に述べられ、それぞれに許代表の功績と盧夫人の内助の功などをユーモアを交えつつねぎらわれ、お2人に感謝の言葉を述
べた。
次に、許代表には小川英子・在日台湾婦女会会長、盧夫人には小田村四郎・本会会長から花束の贈呈があり、また、杉並の台湾教会に通う熱心な台湾長老教会のクリスチャンのお2人には、羅王明珠・東京華僑婦女会名誉会長と黄宗敏・僑務委員から記念品として革張りの聖書がプレゼントされた。
続いて、許代表と盧夫人がそれぞれに謝辞を述べ、この4年間の思い出とともに台湾と日本の関係がさらに密接になるよう希望している旨を述べられた。
午後6時からはじまった送別会はまもなく7時半となり、予定を30分近く押していたが、登壇するそれぞれの方の許代表ご夫妻を思いやる心にあふれたスピーチが感銘を誘っていたようで、ほとんどざわつきがない。
ここでようやく乾杯となり、服部禮次郎・交流協会会長が音頭をとって開宴となった。
許代表ご夫妻のこの4年間の歩みをつづったDVDがスクリーンに映し出されるなか、ご夫妻は会場を巡回して挨拶する。
そして、宴もたけなわとなったころ、盧夫人が代表をつとめるフォルモサ婦人会の方々がおそろいの薄いベージュ系の服装で壇上に上がり、台湾でよく歌われている「我相信」「玉欄花」「台湾是一ヶ美麗e国家」「福爾摩莎頌」の4曲を披露した。
ここでプログラムにはないハプニングが起こった。許代表ご夫妻を裏で支えてきた陳銘俊特別秘書と奥様の名前が司会から呼ばれ壇上に促された。なんと奥様から陳氏に花束の贈呈。これには許代表ご夫妻からも会場からも大きな拍手が沸き起こり、陳ご夫妻は照れることしきりだった。会場には聞こえなかったが、押されるように壇上に上がる間際、陳氏が小声で「いや、僕が女房に贈りたいんだ」と言った一言が心に残った。
閉会の辞は、台湾独立建国聯盟主席をつとめた許代表の盟友でもある黄文雄・拓殖大学日本文化研究所客員教授が述べ、最後に、藤井厳喜・拓殖大学客員教授が「台湾万歳、日本万歳、日台共栄万歳」と三唱し、滞りなく中締めとなった。