沖縄訪問3日目午前 東南植物楽園ご見学
「尖閣諸島は日本の領土。馬総統の主張はただの政治的なもの」
沖縄滞在3日目を迎えた李登輝元総統は、24日午前10時、滞在先のホテルを出発し、沖縄市の「東南植物楽園」を訪問した。
東南植物楽園では、大林千乃園長らが出迎えた。大林園長は台僑でお父上と李登輝元総統は昵懇の仲とのこと。
農業経済学者らしく、園内約40万平方メートルの敷地に植えられた東南アジアなど各地の植物を大林園長自らの案内で周り、熱心に質問などしていた。
また、この日も沖縄らしい蒸し蒸しした暑さ。パッションフルーツのシェイクを片手に園内を巡る一場面も。
途中、設けられた会見の時間には、報道陣からの質問に答えた(詳細は本会特集ブログに掲載します)。
また、園内レストランで催された歓迎昼食会には、仲井眞弘多・沖縄県知事や羅坤粲・台北駐日代表処代表代行らも出席した。パッションフルーツをくり抜いた器に注がれた泡盛で乾杯すると、挨拶に立った李登輝元総統は、沖縄初訪問の印象や農業関連の話題について話した。
「以前からこちらの植物園を訪れたいと思っていたが、日本になかなか来られない事情があり、家内と孫娘だけは過去に2度お邪魔している。今回、念願叶って訪問できたが、こんな広大な敷地に色々な植物を植えて管理していることに敬意を表したい。どんな植物が沖縄の気候に適性を持っているかを調べることで、沖縄の農業経済の発展にも寄与できていることと思う。
台湾と沖縄は地域的にも非常に近い。戦前の日本統治時代には、沖縄の漁民は尖閣諸島近辺で漁業をして生計を立てていた。取った魚は本土に持っていくよりも、(台湾の港町)基隆のほうが近いので、そこで水揚げして消費していた。
戦後、台湾と日本は別の国になり、尖閣諸島の近海は日本の海となった。尖閣諸島はまちがいなく日本の領土。
問題なのは、漁業権の問題だけ。昔どおり、そこで漁業をさせて欲しいというだけの話だ。私が総統の時代、漁業権の解決のため、日本の農林水産省と交渉を始めた。現在の馬英九政権が主張している『尖閣諸島は中華民国の領土』という主張とは全く違う。あれはただの政治的なものだ」などと述べた。
李登輝元総統は、昼食後、午後から世界遺産の首里城を見学される。
沖縄訪問3日目午後 首里城ご見学
李登輝元総統は23日午後から世界遺産の首里城(那覇市)を見学された。
守礼門では本会会員らが小旗を持って出迎え、李元総統はわざわざ歩み寄って挨拶された。
城内では、首里城を管理運営する海洋博覧会記念公園管理財団の冨田裕次理事長の案内で各建物や展示物を見学された。
今日はスコールもなく、紅い城壁と南国らしい青空とのコントラストが美しい。いかにも沖縄らしい建造物を見るにつけ、沖縄が日本や台湾とはまた別個の文化を保持していることが窺える。
麦わら帽子をかぶり、見学を終えた李登輝元総統が報道陣に囲まれる光景に、周囲の観光客は「誰が来ているの?」と興味津々。
「台湾の元総統が来ている」と知れると、大急ぎで写真におさめるなど、李元総統の日本での知名度の高さを感じさせた。
※本会HPに載せきれない写真、詳細レポートは2008年特集ブログをご覧ください。