台湾の国会議員である高金素梅氏が靖国神社に乱入して騒擾事件を起こしたことで、昨日、日本李登輝友の会の小田村四郎会長の名代として柚原正敬・事務局長と永山英樹・事務局次長の2名は台北駐日経済文化代表処(駐日台湾大使館に相当)を訪ね、「高金素梅議員の靖国神社騒擾事件に関する要求」を手交した。
馮寄台代表が不在だったため、窓口となった政治部副部長に対してその文面を読み上げ手交した。そして、日本では靖国神社を支持する人々と台湾の台風被害に義援金を出す人々がほぼ重なっていることを説明し、高金素梅議員が2度とこのような日台の信頼関係を損ねるような事件を起こさないよう馮寄台代表は日本国民に分かるよう何がしかの返答を表明するよう要求した。
副部長は、要求の文面は外交部に必ず届けて報告することと、馮寄台代表から何らかの返答をしてもらうことを約束した。
台湾駐日代表処には、台湾との外交窓口である交流協会からも抗議があり、私どもの文面にもあるような、もし日本の国会議員が忠烈祠で同様のことをやったら、いったい台湾政府や国民はどのような反応を示すかわかるだろうと指摘し、代表処としても厳しく対処して欲しいと要望したという。
このような反日・親中議員の不逞パフォーマンスにより、日台が力を合わせてこれまで営々と築き上げてきた信頼関係は揺るぐはずもないが、友邦台湾のイメージダウンは避けられない。台湾駐日代表処としては、行政の立場だからとか個人の行為だからという弁解は止め、日本と台湾の親善交流を進める立場から、日本国民に対して速やかに誠意ある返答を願いたい。馮寄台代表からの返答が届き次第、本会メールマガジンやHPで紹介したい。
高金素梅議員の靖国神社騒擾事件に関する要求
貴国の国会議員である高金素梅氏が八月十一日、約五十名もの群集を率い、境内持ち込みを禁止されている横断幕や写真パネルなどを手に、台湾出身戦歿者を含む二百四十六万余の英霊を祀る神聖なる靖国神社境内に足を踏み入れた。そして拝殿に登ろうとしたり、制止しようとした同神社職員に怪我を負わせるなどの騒擾事件を惹き起こしたことは、戦歿者の英霊への許しがたい冒涜であるとともに、戦歿者遺族を含む日本国民の心をこの上なく蹂躙するものであった。
これは貴国政府としても看過できない事態であるはずである。例えば日本の国会議員が台北の忠烈祠を冒涜する行為に出たことを想像されたい。その際貴国政府は、日本政府に対して無言でいられるだろうか。
中国の反日行動に歩調を合わせたこの議員の不逞行為は、日本を侮辱し自国の名誉を傷つけ、まさに中国が対日本、対台湾の戦略上において希求してきたが如く両国間の信頼関係を著しく後退させたのであった。
そこで日台関係の増進を目指して活動を展開している本会は、高金素梅氏に謝罪させることや、二度とこのような不逞行為を起こさせないことを含め、日本国民に対して誠意ある態度を示されんことを、貴国政府に対して強く求める。
平成二十一年八月十九日
日本李登輝友の会会長 小田村四郎
台北駐日経済文化代表処代表 馮寄台 殿