10月21日に開かれた定例記者会見で、日向英実・NHK放送総局長が「出演した台湾の人々に抗議の意思がない旨の文書にサインするよう、番組スタッフが求めたことを認めた」(産経新聞)ことを報じている。

10月22日付の本会メールマガジン『日台共栄』第1163号で、「SAPIO」に掲載された井上和彦氏のレポートを紹介したので、どこが隠蔽工作だったのかはそれをご覧いただきたいが、NHKは「柯徳三さんや蒋松輝さんから抗議を受けていることはありません」と断言していたにもかかわらず、その裏で柯徳三氏らに抗議撤回をお願いしていたのだ。日向放送総局長の発言は「隠蔽工作」を認めたに等しい。

日向放送総局長は、サインを求めたことを認める一方で「番組担当者が放送後、出演者に会って感想を聞いたり、改めて番組内容を説明したりするのは当然のこと」とも言ったそうだが、それは強弁に過ぎない。

なぜなら、柯徳三氏はサインしたものの、藍昭光氏はサインしていないし、張俊彦氏にいたっては面会の申し入れさえ断っているからだ。つまり、NHKは出演者の抗議を未だに受けているということであり、それに対して何も解決できていないことを放送総局長自身が認めてしまったことになるのだ。

NHKの防御壁が徐々に崩れていることを明白に示した日向英実・NHK放送総局長の会見だった。NHK解体の音はだんだん高くなっている。