5月7日から始まった「第15回台湾李登輝学校研修団」最終日の5月11日、朝9時からは蔡焜燦先生(李登輝民主協会理事長、台湾歌壇代表)による「台湾と日本、桜の絆」と題した特別講話を予定していた。 蔡焜燦先生が淡水の群策会に予定時間に見えられるや、柚原正敬事務局長を呼んで何事かを打ち合わせしている。間もなく柚原事務局長が先導して教室に入ると、大きな拍手が沸き起こった。
すると、いつもなら早川友久氏(本会理事・台北事務所長)が講師を紹介するなど司会進行するのだが、柚原事務局長がマイクを握り「皆さん、カメラを用意してください」と述べ、東日本大震災に対する台湾からの支援について、すでに台湾では官民合わせて200億円近くの義捐金が寄せられていることなどを説明。
また、李登輝民主協会が本会のカウンターパートであることなども説明し、最後に今回の東日本大震災に対して100万元の義捐金を小切手でお持ちになり、本会に寄贈されることを明らかにした。参加者からは一様に「おおー」という驚きの声が挙がり、教室に入られたときよりもいっそう大きな拍手が沸き起こった。
蔡先生は「あの大震災より今日でちょうど2ヶ月目です。遅くなりましたが、台湾李登輝民主協会から100万元を献金いたします。その前に皆さん、犠牲になった方々の冥福を祈って黙祷を捧げましょう」と提案され、義捐金贈呈式の前にまず黙祷を捧げた。それから贈呈式が行われ、蔡先生にご挨拶いただいた。
1999年9月の台湾大地震のときに日本の救援隊が一番乗りしたことや、当時、日本財団の理事長だった曽野綾子さんが3億円を寄贈したことなどを紹介、そして「震災のときはひどい目に遭いました」と言って、当時、入れ替わり立ち代り入ってきていた徳田虎雄氏が理事長をつとめる徳洲会医療団の歓迎会と歓送会を2週間にわたって行ったことなども披露、「皆さんは美味しいと言って食べてくれましたが、私は毎晩同じものを食べたのでゲップが出るほどでした」と会場を笑わせる。
また、日本からの留学生が土日になると必ず現場へ行って、まだあまり言葉がうまく話せないので、ボードに漢文で「私たちは何もできません。力だけあります。物を運ぶ場合は言いつけてください」と書き、トイレ掃除などのボランティア活動をしていたことなども紹介された。
100万台湾元は現在のレートで279万8769円。柚原事務局長は義捐金は被災地や被災された方々に直接役立つよう使わせていただく旨を説明し、ありがたく押しいただいた。
この李登輝民主協会からの義捐金を入れると、本会に寄せられた義捐金総額は802万4169円(5月11日現在)となっている。
すでに石巻に寄贈した自転車代などで一部を使わせていただいているが、先にもお断りしたように、近々、福島県、宮城県、岩手県の本会支部を通じて、もっとも義捐金が役に立つような形で寄贈の予定だ。