李登輝元総統が1月5日発売の月刊「SAPIO」2月号に「日本の人々に告ぐ─中国の脅威に立ち向かう平成の坂本龍馬よ、出でよ」と題して寄稿されている。
李登輝元総統が日本人に伝えたいのは、馬英九政権下で拡大する経済格差などの台湾の現状ばかりではなく、中国の圧力を跳ね返そうとする若者たちが出てきたことにあるようだ。だから、冒頭で坂本龍馬をはじめとする若い志士たちが明治維新を成し遂げたことを挙げ、「今との台湾は日本の幕末とよく似た状況にある」と述べている。
翻って、では同じ中国の圧力を受ける日本はどうなのだと言及される。未だ日本の一部には憲法九条を変えなければ平和になると広言する平和主義者や他国依存症とでもいうべき人々がいることを揶揄されるように「自国の領土を自国で守るというのは、独立国にとっては当たり前のことで、他国に守ってもらおうと考えるほうがおかしい」と指摘、日本は自らの力で進路を切り拓くべきと具体策を提言されている。
最後に、今後の決意とも言うべき考えを吐露されている。並々ならぬものが伝わってくる。この最後の言葉に深くうなづく日本人は少なくないはずだ。一読をお勧めしたい。