現在訪米中の民進党総統候補・蔡英文主席による、両岸関係について「現状維持」との主張に対し、民進党内からも「曖昧だ」との批判が出ているが、29日夜、台北市内のホテルで台湾団結連盟の募金パーティに出席した李登輝総統は「どこが曖昧なのか」と蔡主席の主張を支持した。
李登輝総統はメディアからの「蔡英文主席の『現状維持』が曖昧だという批判について・・・」と問われると「どこが曖昧なのか。そもそも現状を維持するということはどういうことか。台湾は台湾、中国は中国だ。それぞれ中華民国と中華人民共和国を維持すればいい、それこそが現状維持だ」と答え「批判している人間は頭が悪すぎる」と非難した。
さらに「米国も日本も、台湾との関係が密接な自由民主国家だ。訪米して高官と意見を交わすのもいいことだ。相手が『現状維持』について説明を求めてきたらきちんと話せば済む話しだ」などと述べた。
李登輝総統は両岸関係の「現状維持」という状況について、先月行われた第23回・日本李登輝学校台湾研修団(本会主催)の講演でも、「『現状維持』は中国からの離脱の始まり」と述べるとともに「台湾と中国の間の現状維持は『静態的』ではなく『動態的』。現状維持していることそのものが台湾と中国は別個の存在ということを示している」などと話していた。