台湾最南端の鵝鑾鼻(ガランピ)近く、バシー海峡を望む高台に潮音寺というお寺が建立されています。
戦時中、バシー海峡で潜水艦に撃沈され、命を落とした多くの兵隊さんたちがこの付近の砂浜に流れ着き、地元の台湾の人々の手によって厚く葬られました。
潮音寺はこの地で散華された方々を弔うために建立されたお寺です。
2009年(平成27年)4月に開催された、本会主催の第11回・日本李登輝学校台湾研修団でもこの潮音寺を訪問し、奇しくも参加されていた松音寺ご住職(仙台市)の金山富彦・宮城県支部事務局長に読経していただき、バシー海峡に斃れた英霊の方々に感謝と追悼の祈りを捧げました。
戦後70周年を迎える今年、潮音寺において台湾バシー海峡戦没者慰霊祭が執り行われます。本会も協力団体となっておりますので、多くの方々のご参加をお待ちしております。
いよいよ平成27年8月には、「戦後70周年」の節目が訪れます。
未曾有の戦死者を出した「太平洋戦争(大東亜戦争)」が終結して、長い歳月が過ぎ去りました。
子孫を残すこともなく無念を呑み込んで亡くなっていった日本の若者は実に200万人を超えました。台湾の屏東縣にある「潮音寺」は、昭和19年にバシー海峡で12日間も漂流し、奇跡の生還を遂げた中嶋秀次さん(2013年10月、92歳で死去)が昭和56年にその半生と私財を擲(なげう)って、バシー海峡で戦死した戦友たちのために建立したお寺です。
中嶋氏の願いに少なからず浄財も集まりました。戦友たちの慰霊にかけた故・中嶋さんの思いと執念がいかに凄まじいものだったかは、昨年10月に発刊されたノンフィクション作家・門田隆将氏の『慟哭の海峡』(角川書店)に記されています。
バシー海峡は、台湾とフィリピンの間に横たわる海峡です。しかし、この海峡で潜水艦による「群狼(ぐんろう)戦法」をとったアメリカは、南方に向かう日本軍の輸送船の多くを魚雷によって沈没させ、日本軍から“魔の海峡”“輸送船の墓場”と恐れられました。
バシー海峡の戦没者は、「20万人以上」とも「およそ10万人」とも言われます。いまだ正確な数はわかっていません。しかし、バシー海峡の台湾に近い海域で沈められた輸送船の犠牲者の遺体は、毎日のように台湾南部の海岸線に打ち上げられました。当時、台湾人は、その日本兵の遺体を泣きながら埋葬してくれていたことが、前掲の『慟哭の海峡』には記されています。
70年前に終結した戦争で命を落とし、現在の日本の礎となった日本の兵士たち。私たち後世の人間は、そのことに感謝し、頭を垂れ、そして戦没者たちの無念に対して、思いを馳せなければなりません。それが、戦没者たちの霊を慰める唯一の方法だと思います。
鎮魂のために、戦後70周年に際して潮音寺に集い、戦没者に感謝の誠を捧げ、永遠(とわ)なる平和を祈りたいという声が澎湃(ほうはい)として湧き起こっています。その声に応えて、潮音寺他バシー海峡関連施設において慰霊祭を開催したいと思います。
当日、第一部の潮音寺慰霊祭では、バシー海峡戦没者『駆逐艦呉竹』吉田宗雄艦長のご子息でいらっしゃる臨済宗南禅寺派 禅林寺 吉田宗利住職に読経頂く事になりました。また、世界の平和と犠牲者の慰霊のために世界中で音楽巡礼をつづける音楽家の西村直記さんが英霊へのシンセサイザーによる鎮魂の曲を奏でてくれることが決まっています。第二部では、『慟哭の海峡』の著者、ノンフィクション作家の門田隆将氏を迎え、『「慟哭の海峡」と戦没者の無念と未来』と題して特別講演もおこなってもらう予定です。
慰霊祭の詳細は、今後、順次、公表してまいります。また、現在、この慰霊祭の趣旨に賛同いただける団体に、共催・後援をお願いしております。「戦後70周年記念 2015年台湾バシー海峡戦没者慰霊祭」へのご参加を是非、お願い致します。
戦後70周年記念 2015年台湾バシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会
発起人代表 小川智男
(潮音寺 主管)
実行委員長 渡邊崇之
(台灣威凌克股份有限公司 董事長 兼 總經理)
戦後70周年記念「2015年台湾バシー海峡戦没者慰霊祭」開催要項
*スケジュール、募集要項、主催者、協力団体、賛同者、潮音寺の現況、お申し込み、お問い合わ
せなどの詳細は、ホームページからご確認ください。
*後援団体、賛同者も募っています。
*ツアー概要 締切:6月30日(火)
1.成田出発(定員20名)
2.関空出発(定員30名)
3.現地参加(定員40名)
4.個別参加(定員制限なし)
◆戦後70周年記念 2015年台湾バシー海峡戦没者慰霊祭
*お申し込みはこちらから【締切:6月30日】
【第一部】
・日 時:平成27年8月2日(日)10時30分~15時
・場 所:台湾屏東縣恒春鎮猫鼻頭及び周辺地
1)「潮音寺」慰霊祭 11時~12時
発起人代表よりの弔辞朗読
臨済宗南禅寺派 禅林寺 吉田宗利住職(バシー海峡戦没者『駆逐艦呉竹』吉田宗雄艦長の
ご子息)による読経
犠牲者慰霊のための音楽巡礼を続ける音楽家西村直記氏によるシンセサイザー演奏
参列者によるお焼香
2)後壁湖で海鮮ランチ 12時30分~13時30分
3)周辺慰霊施設視察 13時30分~15時30分
「日華友好の丘」の視察
「猫鼻頭」での散策
日本兵遺体焼却跡の視察
【第二部】
・日 時: 平成27年8月2日(日)18時30分~20時30分
・場 所:高雄国賓大飯店
発起人代表 小川智男氏から乾杯のご挨拶
「慟哭の海峡」著者であるノンフィクション作家門田隆将氏による講演
「『慟哭の海峡』と戦没者の無念と未来」
ご来賓からの挨拶
弔辞読み上げ
呉昭平・鍾佐營夫妻と李陽明氏に感謝状と記念品の贈呈
潮音寺再建管理委員会からのご挨拶
閉会の挨拶
(以下略)