李登輝総統は23日、台北市内で開かれた2015年金融フォーラムに出席し「指導者能力の修練」と題して講演、「指導者は『誠実自然』であるべき。国民を騙してはいけない」などと話した。
フォーラムは、台湾の中央銀行総裁などを歴任した許遠東氏を顕彰する基金会が主催したもの。
講演で李登輝総統は「遺伝的にうちの家系には誰も糖尿病がいないのに、私は糖尿病になってしまった。恐らく12年間の総統在任中のストレスが原因だろう。だから市長も気をつけるように」と出席していた柯文哲・台北市長に注意を促して笑いを誘った。
また、講演後にはメディアから質問を受けると、日本語版の『最高指導者の条件』を取り出し、「指導者にとって最も重要なのは『誠実自然』だ。『誠実自然』とは信頼、誠実、正直をモットーとすることだ。権力を手に入れたからといって、幻想を抱き、国民を騙してはいけない。今の指導者は『毎日きちんと寝ています』などと言っているが(馬英九のこと)、国民が不況や失業であえいでいるのに、どうして国家の最高指導者が毎日きちんと寝られるのか」などと非難した。
【台湾での報道を本会台北事務所でまとめたものです】