20150805-017月21日、2000年の総統退任以降、7度目の来日を果たされた李登輝総統は、翌22日午後3時から衆議院第一議員会館において、衆参国会議員の4割を超える292人、秘書などの代理112人、関係者を合わせ約450人が集う満堂の中、「台湾のパラダイムの変遷」と題して講演された。

当日午後2時40分ころ衆議院第一議員会館に着いた李総統は、講演会主催者である「李登輝先生の講演を実現する国会議員の会」の岸信夫・衆院議員と江口克彦・参院議員に案内されて控室に入られた。

ここで、講演までの合間を縫って「週刊エコノミスト」の金山隆一・編集長のインタビューを受け、来日のご感想や日本経済の活性化策などについて話された。

また「アメリカに頼るのではなく、日本がアメリカをサポートしてやっていく。これが集団的自衛権の行使であり、安倍政権が成立を目指す安全保障関連法案です」と述べ、これが「正しい方向」と安倍政権を支持する考えを表明された。

20150805-02このインタビューが8月3日発売の「週刊エコノミスト」(8月11日・16日合併号)に「日本の成長に必要な技術革新─台湾から日本に放つ『第三の矢』」と題して掲載されている。ほんの数分のインタビューで、掲載も1ページと短いものだが、李総統の考え方がよく表れたインタビューとなっている。

ちなみに、このインタビューの前には石原信雄・元内閣官房副長官が挨拶に訪れ、終わるや下村博文・文部科学大臣や古屋圭司・前国家公安委員会委員長も訪れるなど、議員会館の控室はあわただしく時間が過ぎていった。

李総統はいつものように立ちながらのご講演だったが、満92歳とは思えない、大きく張りのある声は満場の会場に響き渡った。講演が終わるや拍手が鳴り止まず、なんとスタンディングオベーション。音楽会ならいざ知らず、講演会でスタンディングオベーションが起こったのだ。

台湾の総統経験者が国会議員の招きで講演するのは初めてのことで、日台の歴史に残ると言っても過言ではない画期的な講演会だった。

この講演録は8月6日発売の「歴史通」9月号に「来日記念講演 台湾は台湾、中国は中国」と題して掲載される予定だ。「週刊エコノミスト」と併せてご一読を!