【募金受付は11月30日に終了しました。多数のご協力ありがとうございました】

今年の8月8日朝、花蓮に上陸した台風13号は台湾を横断して台湾海峡へ抜けましたが、各地で倒木が道路を塞ぎ、店舗の屋根が剥がれ落ちるなど大きな被害を受けました。中央災害対策センターによりますと、死者5人、行方不明者4人、負傷者185人を出したそうです。

高砂義勇隊慰霊碑のある烏来でも、慰霊碑裏の山肌が数十メートルにわたって地滑りを起こし、慰霊碑の像がなぎ倒され、李登輝元総統が揮毫された「霊安故郷」の銘板がある台座も落石と倒木に埋もれてしまいました。

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土砂崩れに呑み込まれた烏来の高砂義勇隊慰霊碑(8月24日、本会撮影)

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土砂に埋まる前の慰霊碑(2014年5月、本会撮影)

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慰霊碑入口のさざれ石や日本人胸像も倒木や落石に埋もれてしまった

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被害を受ける前の様子(2014年5月、本会撮影)

つきましては、慰霊碑復旧に資するため、本会は8月26日より「お見舞い募金」を始めました。募金の経過や結果は本会メールマガジン「日台共栄」やホームページ上でお知らせします。

募金は確実にお役に立つよう、慰霊碑を管理運営している烏来郷高砂義勇隊記念協会に直接お送りさせていただく予定です。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

平成27年(2015年)8月26日

日本李登輝友の会

なお、実際に現場を訪問し、その惨状を目の当たりにしてきた杉本拓朗・青年部部長のレポートを下記に掲載します。このページに掲載している被害の惨状を伝える写真も杉本部長の撮影によるものです。また、8月26日には産経新聞がこの模様を報道しています


高砂義勇隊慰霊碑「お見舞い募金」要綱

・お見舞い募金は「お志」ですので、いくらでも結構です。

・お礼状はお出し致しませんので、ご了承のほどお願いします。

◇郵便振替 口座番号:00110-4-609117 加入者名:日本李登輝友の会
・通信欄に「台湾」「お見舞い」「水害」などとお書き添えください。
・一般の方は郵便局備付けの郵便振替用紙を、本会会員は機関誌添付の郵便振替用紙をお使い下さい。

◇郵便貯金  記号-番号:10180-95214171  加入者名:日本李登輝友の会

◇銀 行 三菱東京UFJ銀行 本郷支店 普通:0012742
     日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
    (ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

お問い合せは下記の本会事務局までお願いいたします。
0338682111

 

 


高砂義勇隊慰霊碑の惨状

本会 青年部長 杉本 拓朗

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慰霊碑の後ろの山肌が地滑りを起こし、慰霊碑などを呑み込んでしまった

8月9日、台風13号が台湾を襲い、台北市内でも木が根こそぎ倒されるなど各地で甚大な被害が出た。その中でも烏来の被害は甚大で、道路が寸断されるなど軍隊や消防、日本のNGOが出動するほどであった。

2週間あまり経った8月24日、折しも青年部の台湾研修ツアーを終えて帰国するその日に高砂義勇隊慰霊碑の現状を確認すべく烏来に向かった。MRTで新店駅までゆき、そこからバスで烏来まで行くこととする。案の定、途中の清水巌で、ストップとなる。ここからは大きな車輌は通れないらしく、清水巌で新北市政府が地元民用に用意した20人乗りのバスに乗り烏来まで行く。

もっとも、そのような情報はどこを調べても、またバス停にも一切出ていないため、新北市烏来区と共同で慰霊碑を管理している「烏来郷高砂義勇隊記念協会」の方と連絡を取り合いながら何とか烏来にたどり着いた。

烏来のバス停の待合所は川の上にせり出たように建てられている。台風の時は凄まじい雨量のため、川底から10メートル以上はあるこの待合所の床の部分まで水が上がったそうだ。その時の名残で手すりが破壊されたままになっている。

烏来からは「烏来郷高砂義勇隊記念協会」の方のバイクに一緒に乗り瀑布公園に連れて行っていただいた。道路には大きな岩がまだ放置されたままだ。瀑布公園周辺の道路は応急処置でアスファルトではなくコンクリートのようなもので舗装され、公園入口は土砂で埋まっている。上を見ると山の地肌が露出しており、そこから土砂が滑り落ちて来たことが分かる。

別の入口から倒木を避けながら遠回りしつつ、ようやく慰霊碑近くにたどり着く。慰霊碑の前にあった鎮魂の鐘はそのままであったが、鐘の後にあった慰霊碑は完全に土砂で埋もれていて確認のとりようがない。そして、その近くには慰霊碑の上に鎮座していた高砂義勇兵の銅像が無残にも転がり、倒木と落石に埋まっていた。

お話を伺うと、朝4時から7時くらいにかけてものすごい暴風雨で、9時から10時ごろにかけて土砂がずるずると滑り落ちてきたという。未だに地面が安定していないため、落ち着いてから確認したいとのことであった。

慰霊碑入口の左手に置かれたさざれ石や「鎮魂の碑」など関連する石碑などは土砂に埋もれておらず無事であったが、暴風にやられたのかブロックの一部が崩れ倒木が散乱している有様であった。

この高砂義勇隊慰霊碑には最近、台湾人の大学生や高校生が訪れ勉強をしに来ていたという。自分たちで台湾の歴史を学ぶために自主的に訪れているというのだ。今までは日本人が主となって訪れ、英霊となられた戦歿された高砂義勇隊の方々を悼み、感謝を捧げてきた。しかし今は、日台にとっての大事な慰霊の場所であり、歴史を学ぶ場所という本来の役割を果たしている。この大事な場所をもう一度、日台の絆を確認する場所として復興させたいと強く思った。