20150916-01李登輝総統は9月16日午後、台湾大学で開かれた中国語版『新・台湾の主張』新刊発表会に出席した。

会場となった学生活動センターの入口付近には、李登輝総統の「日本時代、私たち兄弟は祖国日本のために戦った」、「尖閣諸島は日本の領土」などの発言に不満を持つ中華愛国同心会や東海保釣聯盟による抗議活動が行われた。

本年7月に訪日した際の「尖閣諸島は日本の領土。台湾のものではない」との発言、PHP『Voice』9月号誌上での「日本祖国論」など、李登輝総統の言動に注目が集まっている時期の新刊発表会出席ということもあり、警察は人員を増強して警備にあたった。

講演前、メディアに囲まれた李登輝総統は、先日、学生団体を前にした講演で「日本時代、私も実際のところ、日本の奴隷だった」と発言したことについて問われ、次のように答えた。

20150916-02「台湾は400年来、6つの異なる外来政権の統治を受けてきた。日本統治時代、私も日本の教育を受けたことで良いこともたくさんあった。

ただ、台湾人は自分たちの手で台湾を治めることが出来なかった。そういう意味で日本の奴隷だったのは事実だ。私の発言は変わってなどいない。私のことを日本人だなどと批判している者もいるが、私はれっきとした台湾人だ。」

満席となった新刊発表会では、許世楷元駐日大使、沼田幹夫日本交流協会台北事務所代表らが祝辞を述べた後、李登輝総統が講演。

講演のなかで李登輝総統は、台湾はアイデンティティの問題を解決しなければ未来がない、として「新しい時代の台湾人」を提唱。そして、台湾人の共同体意識は、民族主義ではなく民主主義を基礎としなければならないなどと主張した。

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