本会HPやメールマガジン『日台共栄』でお伝えしたように、参議院で9月19日に成立した「 平和安全法制」(安保関連法案)について、台湾では外交部が「 日本の国際的な安全保障に対する参加を促進し、 同時に日米同盟を強化、深化させるもの」と支持し、台北駐日経済文化代表処の代表( 大使に相当)をつとめた羅福全・許世楷両氏も歓迎の意を表している。
李登輝総統はすでに昨年9月に「日本の不正常な状態を正し、 再生していくための第一歩」と歓迎している。米国在台協会(AIT)台北事務所長( 駐台湾米国大使に相当)をつとめたウィリアム・スタントン氏も「中国大陸の脅威が強まるのにつれて、 日本と米国の関係が緊密になるのは当然のこと」と歓迎している。
実は、世界の主要国のほとんども賛成している。アメリカ、 イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、ベトナム、 マレーシア等々、挙げていけば切がない。
しかし、中国は「日本は戦後の平和主義を破棄した」と批判した。 台湾でも、中国国民党の総統選候補者の洪秀柱氏は「遺憾」と「憂慮」を表明した。 その理由は「戦争法案」だからだそうだ。また尖閣問題で強硬論を張る中国国民党の林郁方・立法委員も「 懸念」を表明している。
洪秀柱氏も林郁方氏も、台湾と中国の統一推進派。はからずも、 この安保関連法案への対応は日本観を示す「踏絵」となったようだ。分かりやすくていい。
ちなみに、中国の習近平・国家主席は米国から国賓待遇で招かれ、 9月22日から出発し、25日にオバマ大統領と会談すると伝えられている。 訪米以前に安保関連法案が成立したことで、習・オバマ会談に少なからぬ影響を与えることになるだろう。
安倍総理がこの会談をも見越して安保関連法案の成立を期していた なら、安倍総理の戦略勝ちといってよいだろう。