民主進歩党は22日、総統候補者でもある蔡英文主席が10月6日から9日まで4日間の日程で訪日することを正式に発表した。
「點亮台湾、台日友好之旅(台湾を照らす、台日友好の旅)」と位置づけられた今回の訪日では、東京のほか安倍晋三首相の地元、山口県を訪問する。与野党の政治家と懇談するほか、在日台湾人団体による歓迎晩餐会への出席、科学技術産業の視察などが予定されている。
前回の総統選挙の際にも、民進党の総統候補者の慣例に習って訪日した蔡主席だが、今年は中国が戦後70週年の記念行事を行ったり、日本国内では安保法制成立へ向けて政局が混乱しているなど、党内で訪日の是非をめぐって意見が対立し、来年の選挙後、総統就任前に訪日する案も浮上していたという。
しかし最終的に、民進党がこれまで日本と良好な関係を維持してきたことから、蔡主席自ら訪日を決定。スポークスマンによれば、訪日団は蔡主席のほかに呉釗燮秘書長、劉建忻副秘書長、蕭美琴立法委員、黄志芳国際部主任ら16名。
一行は6日に台湾から東京入りし、在日台湾人団体の歓迎晩餐会に出席。7日に山口県を訪問し、村岡嗣政知事を表敬訪問するほか、地場産業や科学技術産業を視察。8日には再び東京へ戻り、自民党、民主党、日華議員懇談会の政治家らと懇談、9日夜に台湾へ戻ることになっている。
23日付の中国時報(台湾紙)は、蔡主席側近による情報として山口県訪問は安倍総理の実弟、岸信夫衆議院議員の招待を受けてのものと報道している。
訪日団は、贈答品として蔡主席の故郷である屏東特産の茶葉「茶日子」、選挙運動中のテーマソングを集めたCD「台湾メロディ」、蔡主席の著書『英派』、小額寄付用として話題になったブタの貯金箱などを持参するという。
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