本会HPなどで、大阪駅と台北駅が12月4日に姉妹駅を締結することをお伝えておりますが、今度は12月18日に東武鉄道と台湾鉄路管理局(台鉄)が友好鉄道協定を締結するというニュースが飛び込んできました。下記にそのニュースを紹介します。

今年は日台姉妹鉄道の当たり年と言ってもよいほどで、2月12日に東京駅と新竹駅の姉妹駅提携にはじまり、この東武鉄道と台湾鉄路管理局の友好鉄道協定締結まで、実に7件もの鉄道協定締結です。これは昨年の4件を大きく上回り、なんとも嬉しいことです。

本会HPやメールマガジン『日台共栄』では毎回のように「日台姉妹鉄道一覧」を紹介していますが、2013年以降、日本と台湾の間で姉妹駅など鉄道関係の提携が相次いでいます。

本会の調査によれば、1986年1月25日の大井川鐵道と阿里山森林鉄道の姉妹鉄道提携以降、この30年間で15件ありますが、2013年以降の3年間で14件に及んでいます。いかに近年の日台の鉄道関係が緊密な間柄を築き上げているかがお分かりいただけるかと思います。

かつて日本と中国が国交を樹立した際に「バスに乗り遅れるな」が合言葉のように取り沙汰され、日中間では約380の自治体同士が姉妹都市提携を結びました。

しかし、今や日中間では姉妹都市提携は完全に下火となり、北京や上海などに設けた日本の自治体の事務所は閑古鳥が鳴いている始末。それに引き換え、日台間では今やそれこそ「バスに乗り遅れるな」とばかり姉妹都市の提携が盛んになり、修学旅行の行先も台湾を選ぶ高校が急速に増えて
います。

日本にはまだまだ鉄道がたくさんあります。次はどの鉄道が台湾と姉妹協定をむすぶのやら、期待がふくらみます。

◆日台姉妹鉄道一覧

1)1986年01月25日 大井川鐵道と阿里山森林鉄道が姉妹鉄道提携
2)2013年04月20日 黒部峡谷鉄道と阿里山森林鉄道が姉妹提携
3)2013年04月23日 江ノ電と平渓線が観光連携協定
4)2013年10月13日 JR四国の松山駅と台湾鉄道の松山駅が姉妹駅提携
5)2014年04月30日 秋田の鳥海山ろく線(由利高原鉄道)と平渓線が姉妹鉄道協定
6)2014年10月28日 千葉のいすみ線と集集線(台湾鉄道)が姉妹鉄道協定
7)2014年12月22日 山陽電鉄と宜蘭線(台湾鉄道)が姉妹鉄道協定
8)2014年12月22日 山陽電鉄の亀山駅と宜蘭線(台湾鉄道)の亀山駅が姉妹駅提携
9)2015年02月12日 東京駅と新竹駅が姉妹駅提携
10)2015年02月26日 京浜急行電鉄と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定を締結
11)2015年03月14日 西武ホールディングスと台湾鉄路管理局が友好協定を締結
12)2015年03月14日 西武鉄道が台湾鉄路管理局と姉妹鉄道協定を締結
13)2015年09月04日 長良川鉄道と内湾線が姉妹鉄道協定を締結
14)2015年12月04日 大阪駅と台北駅が姉妹駅を締結
15)2015年12月18日 東武鉄道と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定を締結(予定)


東武鉄道と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定を締結! 日台同時記念イベントや乗車券を発売

【NEWS for Travel:2015年12月5日】

東武鉄道と台湾鉄路管理局(台鉄)は、2015年12月18日(金)に台鉄 台北駅にて、友好鉄道協定を締結する。それに合わせて記念式典や、共同でのイベントなどを実施する。

◆台鉄台北駅で、友好鉄道協定締結式

今回の友好鉄道協定は、日本と台湾、相互の観光客が増えていることを踏まえ、交流を深めて友好関係を築くと共に、誘客やサービスを深めるためだ。なお東武鉄道にとって、海外鉄道事業者との友好協定は初めてのことだ。

今回の友好鉄道協定締結を記念し、台鉄 台北駅コンコースにて、現地時間の12月18日(金) 10:30より1時間、締結式を行う。

◆締結記念の同時出発式と共通エンブレムの掲出

締結式が終わると、共通デザインのエンブレムを掲出した列車が、日本と台湾でほぼ同時刻に出発する。まず出発式を日本時間の14:40から、日本は東武スカイツリーラインの浅草駅ホーム、台湾は縦貫線の樹林駅ホームで実施。

その後、日本は特急スペーシア「きぬ123号」が15:00に、台湾は自強号「普悠馬232号」が8分後の現地時間駅14:08に出発する。なお台湾と日本の時差は1時間だ。

共通エンブレムの掲出は、2016年3月31日(木)まで、日本では特急「スペーシア」、台湾では自強号(特急)「普悠馬」、それぞれ車両側面に4か所行う。

◆それぞれの乗車券で相互にお得なサービスを提供

また締結から1年間となる2016年12月18日(日)まで、東武の乗車券を台鉄に、もしくは台鉄の乗車券を東武に持ち込むとサービスが受けられる「相互乗車券交流サービス」も実施する。

対象となるのは東武からは、「東京スカイツリー周辺散策フリーきっぷ」または「東京スカイツリーパノラマきっぷ」の乗車券袋だ。これを台鉄の台北駅または瑞芳駅に持っていくと、台鉄の「平渓線1日フリー乗車券」がもらえる。

反対に台鉄自強号の乗車券(大人150元区間以上)を、東武鉄道浅草駅の外国人旅行センターに持っていきパスポートを提示すると、「浅草・東京スカイツリー観光記念往復きっぷ」のプレゼントか、「台鉄専用日光往復きっぷ」を1,500円で販売する。この往復きっぷは、今回のサービス専用に作られた企画乗車券。通常2,910円する浅草~東武日光・鬼怒川温泉間の往復が、割引になっている。

◆共通台紙の記念乗車券も発売!

さらに「友好鉄道協定締結記念乗車券」も発売する。両社の特急列車を使った、台鉄との共通デザインの台紙を使用。東武鉄道では、台紙に硬券仕様の片道乗車券3枚をセットにし、税込み1,000円で3,500セットの限定発売だ。購入は1人5セットまで、売り切れ次第終了となる。

具体的な乗車券は、日光線「幸手駅」から650円区間、伊勢崎線「福居駅」から150円区間、台鉄にも同じ名前の駅がある東上線「大山駅」から200円区間の3枚。この選定は、「友好の幸と手を結ぶ処に大きな山の福が居る」というキャッチフレーズのもとに行われた。

発売期間は、12月18日(金) 12:00~2016年2月29日(月)と、出発式よりも早い時刻での発売開始となる。発売か所は、東武本線の40駅と東上線の16駅、東武グループツーリストプラザだ。

なお台鉄では、台北駅にて板橋駅・大山駅からの乗車券のセットを、1,200セット限定で発売する予定だ。