去る11月3日に平成27年秋の叙勲受章者が発表され、台湾からは元亜東関係協会会長で、台湾機械運輸公司董事長を務める彭栄次氏(旭日重光章)や、「美しい日本語を守る」活動を行う友愛グループ代表の張文芳氏(旭日双光章)など4名の方が受章されました。
昨日(12月10日)、交流協会台北事務所において張文芳氏への勲記と勲章の伝達式が行われました。中央通信社が伝えていますので下記にご紹介します。
旭日双光章を受章した張文芳氏は、日本語・中国語・台湾語の通訳を今も現役で務めるかたわら、友愛グループの代表として会の運営を取り仕切っていて、毎回、参加者に配布されるパンフレットや機関誌の作成もパソコンを使ってこなしています。
本会や本会会員とも縁が深く、3年前の2012年11月に実施した第18回「日本李登輝学校台湾研修団」では、講師としてお招きした民進党主席の蔡英文氏の通訳を務めていただきました。
11月3日朝、張文芳氏にお祝いの電話を入れたところ、「友愛グループでいただいたと思いますので、今後とも一生懸命つとめたいと思っています」と、いつになく鄭重な受け答えにいささか戸惑いましたが、受章を厳粛に受け止めつつ、心から喜ばれている様子がよくよく伝わってきて、本当に清々しい秋の朝でした。
ちなみに、台湾から4名の同時受章は平成24年春、秋、平成26年春に続く4回目で、台湾を対象とした叙勲は平成17年(2005年)春に再開され、今回の受章で41人となっています(これまでの全受章者はこちらを参照)。
「今後も日台民間外交に励行」 旭日双光章を受章の張文芳氏
【中央通信社:2015年12月10日】
「これまで長期にわたって台日民間外交に尽力してまいりました。今後も能力の続く限り励行していく所存でございます」。
日本政府による2015年秋の叙勲で旭日双光章を受章した張文芳氏(85)は10日、日本の対台湾窓口機関、交流協会台北事務所代表公邸(台北市)で行われた勲記と勲章の伝達式で流暢な日本語を駆使してそう述べた。
日本統治時代の台湾生まれ。両親に連れられ6歳で大阪に転居。17歳の時に台湾に戻ったが、台湾語も中国語も話せなかった。「母語は日本語」だという。21歳で入った軍隊で中国語を覚え、その後通訳・翻訳者として活躍した。
現在は「美しく正しい日本語を台湾に残そう」として創立された「友愛グループ」の代表を務める。会員は100人以上。毎月一度、定例会を開くなど精力的に活動を続けている。
伝達式には多くの関係者や友人らが詰めかけた。張氏は「この旭日双光章は友愛グループに授かったも同然」と会場に集まった会員に感謝の言葉を贈った。
日本語は表現豊かで奥ゆかしく、思いやりのあるヒューマニズムな言葉と話す張氏。日本と日本語に対する熱い思いを語り、今後の活動にも意欲を示した。