台湾の総統選挙で蔡英文・民進党主席が当選したことを受け、日本とアメリカが本格的に動き出した。
自民党(安倍晋三総裁)は、「政党間交流を軸に台湾との関係強化を目指す安倍晋三首相の意向を踏まえ」、本日(1月26日)、日華議員懇談会の幹事長でもある古屋圭司(ふるや・けいじ)議員を派遣、蔡英文主席と会談するという。いわば安倍総理の特使とみなしていいだろう。下記に毎日新聞の記事を紹介したい。
古屋議員は自民党内でも親台派として通っていて、昨年7月に李登輝元総統が衆議院第一議員会館で講演された折も、招聘した「李登輝先生の講演を実現する国会議員の会」の一人として、下村博文・文部科学大臣(当時)や岸信夫議員などとともに控室で接遇している。
今回、古屋議員に同行するのは山口泰明(やまぐち・たいめい)議員と木原稔(きはら・みのる)議員の2人だという。
山口議員も親台派議員で、安倍総理からの信任も厚い。昨年、息子さんが台湾人女性と結婚しているが、媒酌人は菅義偉・官房長官夫妻、来賓のメインは安倍晋三総理だった。10月に来日した蔡英文氏が自民党本部を訪問して細田博之幹事長代行らと会談した際も、同席している。
木原議員もまた親台派議員で、岸信夫議員が会長をつとめる自民党の「日台若手議連」の幹事。日華議員懇談会にも所属している。地元の熊本で行われている日台交流の会などにもこまめに顔を出し、台湾へも機会があるたびに訪れている。
一方、アメリカもすでに1月18日にウィリアム・バーンズ前国務副長官を特使として派遣して蔡英文主席と会談した際、米国政府を代表して祝意を伝えている。また、日経新聞の報道によれば、アメリカのジョン・ケリー国務長官が26日と27日に訪中し、中国側と台湾問題についても話し合う考えとみられている。
古屋氏、26日から台湾訪問 蔡次期総統と会談へ
【毎日新聞:2015年1月25日】
自民党の古屋圭司元拉致問題担当相が26~27日の日程で台湾を訪問し、総統選で勝利した民主進歩党(民進党)の蔡英文主席と会談する。事務所が25日発表した。日台関係進展に向け意見を交わす目的で、自民党が訪問を要請した。
政党間交流を軸に台湾との関係強化を目指す安倍晋三首相の意向を踏まえた格好で、こうした首相の考えを会談で伝えるとみられる。古屋氏は首相に近く、台湾との友好発展を目指す超党派の議員連盟「日華議員懇談会」の幹事長を務める。昨年10月に蔡氏が来日した際にも会談した。
今回の訪台には、自民党の山口泰明組織運動本部長と木原稔文部科学部会長が同行する予定だ。