20160128-01

柯市長らを迎えた国会議員会館のテーブルには両国の国旗が

訪日4日目を迎えた27日、柯文哲・台北市長は衆議院議員会館を訪れ、安倍首相の実弟で「日台若手議連」会長を務める岸信夫・衆議院議員ら、約30名の国会議員と会談した。柯市長と岸議員は前夜のパーティに続いての会談。

挨拶に立った岸信夫・衆議院議員は、先ごろ総統選に勝利した民進党の蔡英文主席が昨年10月に岸議員の地元山口県を訪問し、日本への理解も大きいことについて触れ、新政権発足後はよりいっそう日台関係を重視してくれるものと確信しているほか、東京と台北の交流緊密化が、さらなる日台関係の深化に寄与するものと期待しているなどと話した。

衆議院議員会館1階の国際会議室で行われた会談では、現在台湾が行っている福島県産を含む5県の食品輸入規制などについて話し合われたとみられる。席上、岸議員は、流通している5県産の食品はすでに安全が確認されたものであり、良好な日台関係のためにもすみやかに輸入規制を解禁するよう、柯市長側にも協力を求めた。ただ、柯市長はその要望に直接答えず、専門的な問題は専門家によって解決されるべきであり、輸入規制解禁には科学的な根拠が必要と示唆、政治によって処理することは得策ではない、などと述べている。

会談後、メディアのインタビューを受けた岸議員は「民進党の新政権にどのようなことを期待するか」と問われると、新政権が今以上に日台の若者による交流を重視してくれることを希望しており、ひいてはそれが日台関係をより深化させるものだ、などと話した。

また、会談が行われた会議室のテーブルには日本国旗とともに中華民国旗が置かれており、総統選挙投票日前夜に起きた「周子瑜事件(台湾人アイドルが韓国のテレビ番組で中華民国旗を手にしていたことを非難され、所属事務所が謝罪動画を公開した事件)」の記憶が新しい台湾メディアに対し、柯市長は「台湾の外交は困難に直面しているが、国民ひとりひとりが出来ることをやればいい。皆さん、ここで国旗を見て感動しませんか」などと話した。