台湾メディアの報道によれば、6日未明に発生した台湾南部地震に対し、1999年の921大震災で陣頭指揮をとった李登輝総統は被災状況や救助活動の進み具合について大きな関心を寄せているという。

地震発生から数日が経過し、李総統は台南市政府による積極的な救助活動を高く評価しているという。さらには、すでに台南市政府に対し、救援活動のほか、被災者たちの生活援助や精神的なケアも重視するべきと提言を伝えた。

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2012年9月13日、台中市霧峰区の「921地震教育園区」を視察する李登輝総統(撮影:本会台北事務所)

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現役総統として陣頭指揮をとった921大震災への想いは深い。その想いは、東日本大震災への大きな関心へと繋がっている(撮影:本会台北事務所)

また、李総統は特に一般的には「見えない部分」について大きな関心を寄せているようで、被災地域のガスや水道などのライフラインの損傷有無について出来る限りすみやかに検査する必要があるほか、土壌の液状化減少の有無についても全面的な地質調査をする必要があると述べている。

さらには、調査終了後は調査結果をすべて公開すべきであり、建設中あるいは新しく建設予定のビル・マンションについて、仮に液状化が見られた土壌の場合は建設中止や耐震強度について再度検査する必要性に言及した。

李総統は、今回の地震で倒壊した台南市の「維冠大楼」における救助活動はかなり困難が伴うことを理解しつつも、今後の予防対策がすみやかに着手されることで、将来同様の事態が発生しないことを願っているという。

【台湾国内での報道を本会台北事務所でまとめたものです】